第15回防災まちづくり大賞(平成22年度)

「住みたい 住みつづけたいまち 法吉」の実現を目指して

優良事例(一般部門)
「住みたい 住みつづけたいまち 法吉」の実現を目指して

法吉地区あんぜん・あんしんネットワーク
(島根県松江市)

事例の概要

■内容

  • 1. 「法吉地区あんぜん・あんしんネットワーク」組織結成の経過
     法吉地区は、松江市の北部に位置している。昭和20年頃は準農村地帯であったが、昭和40年代半ばより、徐々に団地造成や宅地開発が進んで人口の流入が続き、新旧住民が混在する地域社会を形成するようになった。近年は、地区内の小学校児童数は、県内でも有数の増加率を示している。
     従来から、公民館(公設自主運営方式)を拠点として自治会を始めとする各種団体が連携して「まちづくり・コミュニティづくり」活動をとおし、防災・防犯に関する事業を展開していた。
     しかし、マンションや新興住宅地に住む住民が増加するのに伴い、希薄になりつつある地域住民同士の繋がりをさらに強固なものとするため、平成17年6月に、地区内に存在する各種団体を取りまとめ、効果的な活動を推進する組織として「法吉地区あんぜん・あんしんネットワーク」を結成した。
  • 2. 「災害時における地域での助け合い」事業について(おねがい会員とまかせて会員)
     平成16年には、地区社会福祉協議会が主体となり「災害時における地域での助け合い事業」を開始した。これは、平成7年に発生した「阪神・淡路大震災」により、大きな被害を受けた神戸市長田区真野地区を訪問し、被災者等から「生の声」を聞き、「共助の精神が防災の基本である」という意識からスタートさせた事業である。
     この取り組みも、一部の団体あるいは個人が「責任」という重圧を受けないよう、ネットワーク加入団体が連携し、災害時要援護者への支援活動を行っている。
     例えば、地区内に新たに独居高齢者等の転入があった場合には、民生児童委員が訪問し、「何らかの支援が必要」と判断した場合に、町内会・自主防災組織・民生児童委員・福祉推進員等の代表者が定期的に集まり、要援護者「おねがい会員」に対する支援者「まかせて会員」を調整し、万が一の場合に備えることとしている。
  • 3. 「地域安全見守り隊」活動について
     従来から、防災・防犯対策として、通学路等を中心とした見守り活動や、街頭パトロールカー(青パト)での巡回を実施していた。しかし、地区内には狭隘な路地も多くあり、地域の隅々まで巡回できる自転車やバイク等の二輪車を活用することを発案した。この「二輪車見守り隊」は平成20年7月に結成し、自転車の前かごに「地域安全見守り隊」と記したプレートを掲げて、買い物時等、気軽に地域の安全・安心の活動に参加できるよう工夫されている。
     この運動には、運転免許をもたない高齢者や、女性の参画も積極的に行われており、県内でも初めての試みとして注目された。

避難者への健康観察

炊き出し訓練

要援護者避難支援訓練

救命講習

苦労した点

「災害時における地域での助け合い」事業について
 高齢者については、自治会・民生児童委員・福祉推進員・自主防災組織等で「支援が必要と思われる対象者」をリストアップし、該当する人に個別に説明を行った。
 しかし、障害者についての情報収集は困難であり、市福祉部局から障害者手帳を有する方等に、直接、「事業に関するお知らせ」を送付し、登録を希望する人は公民館に申し出ていただき、民生児童委員等で説明を行った。

特徴

「災害時における地域での助け合い」事業について

  • 1. ネットワーク加入団体が連携し、1人の要援護者に対して、複数の支援者を選定することにより、支援者としての個々の負担を軽減できた。
  • 2. この活動の基本は、「災害時における安否確認と避難所までの誘導」であるが、平素からの声がけと見守り活動につながるようになった。
  • 3. 訓練も定期的に実施しており、「平成18年7月豪雨災害」時には、地区内の要援護者に対する安否確認が2時間で完了し、1人の犠牲者も発生しなかった。

団体概要

法吉地区あんぜん・あんしんネットワーク

構成団体
19団体

実施期間

 平成17年6月1日~