第14回防災まちづくり大賞(平成21年度)

助け合い 支え合い-高齢化するマンション住民の防災対策-

優良事例
(住宅防火部門)

助け合い 支え合い
-高齢化するマンション住民の防災対策-

葛西第二スカイハイツ 自主防災会
(東京都江戸川区)

事例の概要

■経緯

 昭和54年に葛西第二スカイハイツ(以下「スカイハイツ」という。)が建設され、住民の入居以来30年の経過とともに、現在では60歳以上の高齢者が108戸中50戸(64名)と約半数を占めるまでに高齢化が進んでいる。
 スカイハイツではマンションの住民関係の希薄さを危惧し、「いざと言うとき、一人の犠牲者も出さないように!」を合言葉に、住民が団結して葛西第二スカイハイツ自主防災会を結成し、さらなる安全と災害時の連携体制の構築に積極的に取り組んでいる。

■内容

  • 1. 活動期間や活動の頻度
     平成17年5月に自主防災会を結成後、月1回定例会を開催して全住戸参加の工夫を凝らした各種防災対策活動を継続して実施し、平成21年で4年目となる。
  • 2. 取組の規模(参加者や組織数など)
     スカイハイツの住民(世帯数108、住民数318人)
  • 3. 団体が中心となって、主体的に取り組んでいる内容
    • (1)ソフト面の取り組み
      • ア 自主防災会の体制づくりとして、本部構成は救護部・調達部・防火部・警防部・広報部の5つの部会で、本部長以下23名の本部員が活動しており、月1回の定例会で防災面の企画運営情報交換を行っている。本部員は緊急連絡網を整備して連絡体制を確保するとともに、医師、看護師、薬剤師、救命救急の資格取得者、救助資器材の取扱い経験者等の特技保持者を把握し災害時協力体制を整備している。
      • イ 災害時要援護者救出支援体制づくりとして、高齢者世帯、身体の不自由な人、乳幼児等の災害時台帳を作成するとともに、各階に災害時の安否確認者を指定し、震度4以上の地震発生時には要援護者世帯を訪問し安否確認を実施している。また、自力避難ができない人の避難方法検討のため、車椅子やパイプ椅子を使って数人で持ち上げながら階段からの避難訓練を実施している。
      • ウ 防災だよりを三か月毎に発行し、防災知識の普及・啓発、防災訓練等自主防災組織の活動への参加促進等、全住民に防災意識の向上を図っており、現在第12号まで発行している。
      • エ 防火防災訓練については、消火・避難・通報等の訓練はもとより、煙体験訓練、AEDの取り扱い訓練、応急救護訓練、建物家具等の倒壊・転倒を想定しての救出訓練、炊き出し訓練を実施している。   また、非常持ち出し品・災害用伝言ダイヤル117・緊急地震速報のパネル等を展示し、防災情報を提供している。
      • オ 住民に対する地震発生時の対応調査を実施しており、震度4以上の地震発生時には全世帯に調査用紙を配布し適切な初動対応の意識付けを行っている。
      • カ 住民の相互理解や連帯感を強めるための活動として、子供から高齢者まで世代間のコミュニケーションを活発にするため、「子供たちの敬老の日高齢者訪問」「みんなでカレーライス」「クリスマス会」「餅つき大会」「夏祭り」「落語を楽しむ会」などを企画して実施している。
      • キ その他、夏休み防火防犯夜間パトロールや学習会・講習会に参加して防災情報の収集を行っている。(東京国際消防防災展・葛西消防団操法大会・本所防災館見学)
    • (2)ハード面の取り組み
      • ア 災害時に避難する時は玄関ドアに避難完了プレートを掲出し、逃げ遅れ者を迅速に確認できる「避難完了プレート」を作成し全家庭に配布している。
      • イ 住宅用火災警報器の設置が義務付けられたことを受け、自主防災会が管理組合に申し入れ、平成20年4月に各世帯の住宅用火災警報器を購入し配布した。また、高齢者等で設置困難世帯には自主防災会が取付けを行った。
      • ウ 震災に備え災害用工具・救急用品・災害用簡易トイレを備蓄している。
      • (1)葛西消防団との共同の防災訓練の実施
      • (2)葛西消防署からの定期的に管内災害情報を収集し広報紙に掲載
      • (3)近隣の大規模共同住宅(なぎさニュータウン)防災訓練への参加

■成果

  • 1. 全住戸に住宅用火災警報器が設置され安全安心な住環境が整った。
  • 2. 自主防災会の活動を通し居住者間の意志疎通が図られるようになった。また、マンションの住民の活気や団結力が高まり、防火防災意識、助け合いの精神が醸成され防災向動力が高まった。

プレートを掲出しての避難訓練

避難完了プレート

ドア破壊訓練

通報訓練

初期消火訓練

苦労した点

 マンション住民は隣近所の付き合いがないため共助の精神が欠如し、防災に関しても無関心であることが最大の問題であった。防災訓練の参加者も少なく参加者を集めるのに苦労していたが、自主防災会発足後、役員が活動を通して地道に自主防災の必要性や防災意識の啓発を行い、今では訓練参加率は80パーセント以上となった。

特徴

 マンションは居住者の出入りが激しく、コミュニティがないところが多い中、葛西第二スカイハイツ自主防災会は様々な活動を通して、防災無関心層を取り込み、防災の輪を広げることに成功したものである。
 マンション内全家庭に防災だより発行配布、震度4以上の地震発生時調査、避難完了プレート作成配布等工夫をこらした活動を行い、住民の防災への関心と参画意識を呼び起こした。

団体概要

第二スカイハイツ自主防災会(本部員23名)
世帯数108、住民数318人

実施期間

平成17年5月~