第11回防災まちづくり大賞(平成18年度)

【日本消防設備安全センター理事長賞】一般住宅の消火器 一世帯一本設置運動と地域防災

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弘前地区消防防災協会(青森県弘前市)

事例の概要

■経緯

 弘前地区消防防災協会は、事業所の防災に関する知識の習得と災害予防に努めることなどを目的に、昭和43年に設立されて以来38年有余にわたり事業を推進している。
 現在は、防火対象物や危険物施設等800の事業所が会員となり、防火防災に関わる事業を展開している。
 その主なる事業については、

  • 1.協会を15の部会に区分し、各部会ごとに防災研修を実施し知識の向上を図る。
  • 2.幼稚園、保育園の園児及び小学生を対象に防火作品を募集し、選出された二百数十点を表彰(特別賞に住宅用火災報知器を副賞とする。)するとともに、多数のものが出入りする場所に約1ヶ月間にわたって展示し、広報資材の図案としても活用する。
  • 3.各町会、事業所へ防火ポスターの配付及び協会員による街頭広報を実施する。(防火ポスター、防火ティッシュの図案は防火作品の特別賞受賞作品である。)
  • 4.一般住宅を対象に消火器の一世帯一本設置運動を展開し、購入消火器一本に付き500円の補助事業を、昭和61年から20年間にわたって実施し、今までの普及総数が11,000本を越えている。また、無料点検サービスを行っていることから、消火器による事故防止、詰め替え苦情、さらには悪質な訪問販売の防止になっている。
  • 5.防災協会員の各事業所から、3名一組のチーム選抜で自衛消防技術大会を実施し、消火器、水バケツ、屋内消火栓による初期消火と煙体験ハウスからの救出訓練等、自衛消防隊としての冷静沈着、的確機敏な行動を一連の協議として実施していただき、自衛消防隊の意識向上を図る。

 以上、本協会の事業は、それぞれの事業所にとどまらず、地域の一般家庭までを対象とした幅広い活動を展開しており、防火思想の普及に大きく貢献しているものである。

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水バケツによる消火(自衛消防技術大会)

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屋内消火栓設備の操作(自衛消防技術大会)

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表彰式(自衛消防技術大会)

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一日消防署長による通常点検の実施状況(火災予防運動)

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一日消防署長による街頭広報(火災予防運動)

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消防訓練を研修する弘前地区消防防災協会員(火災予防運動)

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情操教育及び火災予防の普及を図るため防火作品展

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弘前地区消防防災協会員による街頭広報(火災予防運動)

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弘前地区消防防災協会員による街頭広報(火災予防運動)

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防火作品展展示作業

苦労した点

 本協会の会員は、業種の異なる800余りの事業所からなり、これを地域防災にどのように関わりを持たせていくかということと、実施事業のマンネリ化を防ぐことから、15の各部局が防災研修会を積極的に実施し、防火に対する意識改革が図られるよう働きかけるとともに、問題点の改善や新しい事業の展開も事務組合の協力を得て行っており、近年は自衛消防技術大会を実施し、好評を得ている。

特徴

 本協会で昭和61年から実施している一般住宅に対する消火器の一世帯一本設置運動は、防火の草の根運動であり、早急な効果としては目立たないが、非常に有効なものと考える。
 また、平成18年6月から施行された住宅用火災警報器の設置についても、会員事業所が率先して住宅用火災警報器を取り入れ、従業員家庭に設置普及を推進するとともに、20年間実施している。
 消火器の一世帯一本設置運動の町会配布用チラシにも併記し、設置促進を展開している。

実施期間

昭和43年~