第15回防災まちづくり大賞(平成22年度)

地域のたすけあいネットワーク構築による安全・安心なまちづくり

優良事例(一般部門)
地域のたすけあいネットワーク構築による安全・安心なまちづくり

野路自主防災会
(滋賀県草津市)

事例の概要

■経緯

 野路自主防災会では、立命館大学びわこ・くさつキャンパスの開校およびJR南草津駅の開駅によって、地域内に多数のマンション等が建築され、人口も急増し、従来の町内会の緊密感や融和感が乱れ、住民同士の繋がりが疎遠になってきている。この状況では、地震等の災害が発生すれば、高齢者、障害者等の自力避難困難者や自主避難、避難勧告の情報等が認知しづらい方などの要援護者への早急な救護ができないと判断し、地域住民が連携し共助する体制づくりの必要性を痛感した。そこで、災害時における要援護者対策として、地元の大学教授を招いて研修会を行い、住民の防火意識を高める一方、地域のたすけあいネットワーク構築を目指し、災害時に援護が必要な方の実態把握に努め、要援護者への情報伝達、避難誘導、安否確認等が速やかにできるよう体制づくりを進めている。
 また、救急医療情報キット「命のバトン」を配布し、冷蔵庫にカプセルを保管して救急隊員への情報伝達手段として活用している。
 さらに、個人情報の適正な管理をしたうえで、住民相互に共助できる地域社会を構築できるよう市内の先駆者として防災に取り組んでいる。

■内容

  • 1. 災害時たすけあいネットワーク
     町内の防災福祉委員が、対象者の訪問活動を実施し、実態把握に努め、必要に応じて「災害時たすけあいネットワーク」に登録することを推進し、民生児童委員、社会福祉協議会、町づくり委員が定期的に家庭訪問を実施している。この事業は、管轄する湖南広域消防局災害福祉ネットに登録されており、災害時において早期に対応できる取り組みをしている。
  • 2. 救急医療情報キット「命のバトン」
     70歳以上の高齢者世帯に「救急医療情報キット命のバトン」を配布している。「命のバトン」とは、カプセルに必要な情報(氏名、生年月日、血液型、持病、常用薬、緊急連絡先、かかりつけの病院等)を記したカードを入れ、冷蔵庫で保管していることを明示することで、必要な情報を救急隊に伝達できる取り組みである。
  • 3. 高齢者の福祉対策として、老人クラブと連携し、「野路わくわくサロン」を開催している。
  • 4. 防災講座や各種訓練を定期的に実施し、地域住民の防災意識の向上に努めている。
  • 5. 防災ニュースを年6回発行し、住民への情報の共有化に努めている。

救急医療情報キット「命のバトン」

災害図上訓練DIGの様子

防災訓練での消火バケツリレー

文化財防ぎょ訓練

救命講習の受講

苦労した点

  • 1. 「自分たちの地域は自分で守る」という自助・共助について、それまで浸透しておらず、理解を得るのに時間を要した。
  • 2. 新規転入者がますます増加していることから、全体把握に努力を要した。
  • 3. 身よりのない方の避難協力者の確保に苦労した。
  • 4. 個人情報(ポリエチレン製カプセル)を冷蔵庫に保管することに抵抗を感じる方がおられ、理解してもらうことに苦慮した。

特徴

  • 1. 町内会事業が防災に通じる観点で組まれてある。
  • 2. 町内会の各部会等が自主防災活動に何らかの形で関わっていて、都市化が進む地域では珍しく町内一体となった防災活動を展開している。
  • 3. 地元大学教授による研修会の開催や学生による地域支援活動があり、地域と連携が取れている。
  • 4. たすけあいネットワーク登録者については、定期的な家庭訪問で現状変化が早く把握出来る。
  • 5. カプセルの常置場所の冷蔵庫は、どの家庭にもあり、見つけやすく堅牢である。

団体概要

野路自主防災会
 町会長を隊長とし、様々な町内会運営委員(町づくり委員会、玉川学区民生児童委員、社会福祉協議会、婦人消防隊、交通安全協会、財産区管理委員会、老人クラブ寿会、評議委員、壮年会、更正保護女性会、日赤奉仕団、氏子総代会、エルダー婦人会、酒味湯の会)からなる組織である。

構成人員
町内会運営委員

実施期間

 平成20年6月~