第15回防災まちづくり大賞(平成22年度)

発展性のある自主防災活動への取組

優良事例(一般部門)

発展性のある自主防災活動への取組

宮ノ台1丁目自主防災会
(千葉県佐倉市)

事例の概要

  • 1. 自主防災組織の設立
     宮ノ台1丁目は、昭和57年に入居が始まった新興住宅地で、戸建148戸、マンション2棟(211戸)の計359戸から成り立っている地域である。新興住宅地であることから、住民間のつながりも薄く、自治会活動も不活発な地域だった。平成17年に一部の自治会役員の間から、住民の連帯を強めるための自主防災組織の結成が提唱され、様々な活動の末、平成18年3月に自治会総会にて設立が承認されて平成18年4月に「宮ノ台1丁目自主防災会」として発足した。
  • 2. 主な活動
    • (1)住民への啓発活動
       「平常時の防災対策」、「防災のしおり」を作成し全戸に配布したほか、「防災マニュアル」を作成している。各役員は、このマニュアルに基づき、訓練を実施するとともに、災害発生時の心得としている。
      ※マニュアルの構成
       「防災本部編」、「情報班編」、「救助班編」、「衛生班編」、「生活班編」、「避難誘導班編」の6編
    • (2)カラーマグネット・カラースカーフの全戸配布
       安否確認用に「カラーマグネット・カラースカーフ」を作成し、使用方法と併せ全戸に配布している。この「カラーマグネット・カラースカーフ」は、訓練時に、自宅の門等に掲示してもらい、安否確認を実施するために使用している。なお、事前に回覧により、訓練実施及び自宅の門等に掲示するよう依頼を行っているため、掲示の有無によって、回覧を読んでいるか(地域の防災活動への意識レベル)を判別することも可能となる。
    • (3)災害時見守り制度(平成20年10月より)
       地区内の安否確認や避難誘導を希望する方に対し、必要な情報を登録してもらい、地域支援者(1名につき近隣住民2~3名)を選定し、見守りを実施している。
      ※現在、10名の災害時を含む要援護者を19名の地域支援者が見守り体制が組まれている。昨年度より、急病等を含めた対策として、要援護者の同意を得て、消防署への119番登録したほか、救急隊員が迅速に必要な措置が取れるようにするために、冷蔵庫内に要援護者の情報を記したシートケースを収納する取組を実施した。
    • (4)災害時見守り制度の普及活動
       近隣の自治会からの求めに応じ、「災害時見守り制度」の説明を実施するとともに、資料を提供するとともに、組織の立ち上げ支援を実施している。
       また、「ユーカリが丘地区社会福祉協議会」を通じ、「ユーカリが丘地区自治会協議会」に提案を行い、これにより複数の自治会で災害時見守り制度が実施されている。
      ※佐倉市発行「地域における災害時要援護者避難支援の手引き」に「災害時見守り制度」が事例紹介として掲載されている。

テント組立訓練

カラースカーフ

マグネットクリップ

防火訓練に協力いただいた消防署の消防車

苦労した点

 自主防災会の担い手として、担当理事と防災委員をおいているが、これら役員を常に充足させ、自主防災活動の継続性を担保させるためには、常に後継者を育成することが必要となる。
 このため、後継者を育成するシステムの構築に心を砕いてきた。
 具体的には、防災委員には毎年交代する自治会の班長をあてることとしているが、担当理事には防災に対する意識の高い住民をあて、任期を2年(継続可)とするほか、担当する防災対策ごとに主担当と副担当を置き、主担当が降任した際には、副担当が主担当に昇任するといった方法を取っている。この他、常に新しい人材を発掘し、担当理事に就任するよう要請を行うように努めている。

特徴

  • 1. 「ユーカリが丘地区社会福祉協議会」を通じ、「ユーカリが丘地区自治会協議会」に提案を行うことで、他の自治会に対し、取り組み内容の普及を行っている点。実際に複数の自治会で災害時見守り制度が実施され、取り組みが広まっている。
  • 2. カラースカーフ・カラーマグネットを使用することで、地域内の安否確認を迅速に行うことが可能となっている点。また、訓練実施時にカラースカーフ・カラーマグネットを自宅の門等に掲げるよう事前回覧を回すことで、防災に対する住民の意識レベルを確認するとともに、どのエリアに重点的に啓発活動を行うべきか検討を行うことが可能となっている。
  • 3. 自治会の班長を防災委員として、各種訓練に参加してもらっている点。班長は、1年交代なので、何年かで全員が防災委員を経験することになり、防災に関することを街づくりの一環として認識し、防災意識の共有が図ることができている。
  • 4. 119番登録の実施(119番登録制度の実施主体は、佐倉市八街市酒々井町消防組合であり、当該制度に登録することにより、緊急時に要援護者が状況等を十分に伝えることができなくとも救急支援を受けることが可能となる。)及び要援護者情報の冷蔵庫内への収納の実施。

団体概要

宮ノ台1丁目自主防災会
 平成18年4月に宮ノ台一丁目自治会をベースに設立。
 自主防災会会長は、自治会長が兼務するものとし、常任役員として副会長を置き、事業の継続性を担保している。また、各役員も担当理事として、期間2年の常任役員となっている。
 さらに副担当理事を5名以内置くことが出来るようにして、役員後継者の育成、永続性を担保している。

実施期間

平成18年~