第15回防災まちづくり大賞(平成22年度)

【消防庁長官賞】命の大切さ、人と人のつながりの大切さを伝えていく

消防庁長官賞(一般部門)
命の大切さ、人と人のつながりの大切さを伝えていく

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子育て応援!!0,1,2,3サークル
(三重県鳥羽市)

事例の概要

■経緯

 平成16年9月に発生した紀伊半島沖地震において、鳥羽市内に津波警報が発表されたにも関わらず、避難した人が非常に少なかったことや、ある町で実施された避難訓練の様子をビデオで見たときに、避難所に集まるのが一番遅かったのが、小さな子どものいる家族だったことにショックを受け、親子で助かる防災活動を母親たちで始めたのがきっかけである。

■内容

 大地震等により、1人の子どもの命も、その家族の命をも失いたくないという母の願いを原点として、一般の防災知識では補いきれない、子どもを抱えた家庭における防災対策や避難方法、災害時に子ども達が自分の命を守るための方法について、楽しく学んでもらいながら身につく防災啓発活動を行っている。
 防災ボランティアや社会福祉協議会、行政等と連携して、活動の内容を充実させるとともに、活動範囲を広げている。

  • 1. 「じしんでゆれたら、どうするの?」と題して、2ヶ月に1回、親子防災教室を開催している。防災紙芝居やダンゴムシのポーズ等を通して、身を守る方法を啓発している。また、保護者の課題である、小さな子どもを抱えて逃げる方法等についても、みんなで考えている。
  • 2. 小学校や子ども会、保育所などを訪問して、子ども防災教室を開催し、子ども達に楽しく学んでもらうと共に、保護者や先生、地域の人達の防災意識向上にも力を入れている。
  • 3. 防災ボランティアや社会福祉協議会等と連携して、防災教室や防災デイキャンプ、防災ツアー等を実施している。

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防災紙芝居

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地震で揺れたらどうなるの?

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ダンゴ虫ポーズ

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担架づくり

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タウンウォッチング

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新聞スリッパ作り

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防災カルタ

苦労した点

  • 1. 子育て真っ最中の主婦5人がボランティアとして活動しているため、メンバーの負担にならないように活動を継続していくことが難しかった。
  • 2. 命に関わることなので、慎重にしていかなければいけない。自分達は素人なので、どこまで踏み込んで良いものか迷いがあった。
  • 3. 防災はあまり人気がないため、人集めに大変苦労している。
  • 4. 活動を始めて5年目になるが、マンネリ化してきた感じがするため、新しいネタ探しに苦労している。

特徴

  • 1. 将来を担う子ども達に対して、防災を通じて、命の大切さを伝えるとともに、家族や周りの人に優しく接することができる人に育つように頑張っている。
  • 2. 毛布で担架作り、卵の殻踏み、防災カルタ(手作り)、簡単防災頭巾作り、水パック消火ゲーム、新聞スリッパなど、楽しく学んでもらいながら身につく防災啓発活動を行っている。
  • 3. 子ども達に楽しく学んでもらうと共に、保護者や先生、地域の人達の防災意識向上にも力を入れている。
  • 4. 自分達主婦でも、お金をかけず楽しく簡単な防災教室を行うことができ、また、参加者の方からも好評をいただいている。

委員のコメント(防災まちづくり大賞選定委員 横田 真二(総務省消防庁国民保護・防災部防災課長))

 この団体は、平成12年度から0~3歳の子どもとその保護者を主な対象として、子育て応援活動を行っているもので、平成17年度からは、主婦・子育ての視点からの防災啓発活動を以前にも増して積極的に取り入れている。団体の立ち上げのきっかけは、津波警報が発表された際や避難訓練時において、避難所に集まるのが一番遅かったのが、小さな子どものいる家族であったことにショックを受け、親子で助かる防災活動を母親たちで始めたというものである。。
 リーダーの山本道子さんによれば、子育てをしている親は、家で子どもを守っている責任があり、防災知識を持つ必要があるが、なかなかそこまで時間も気もまわらない。そこで、小さな子どもに「紙芝居」や「ダンゴムシのポーズ」等を通して身を守る方法などを、保護者には小さな子どもを抱えて逃げる方法などを、体で覚える防災教室として、楽しく学んでもらいながら身につけていただいているとのことである。。
 この団体の活動は、口コミで広がって行き、今では、小学校や子供会、保育所などを訪問して「子ども防災教室」を開催しているほか、他市町村からも招かれ自分達で作成した教材などを使って防災啓発を行っている。また、地元の防災ボランティアや社会福祉協議会とも連携しており、さらには他府県からの見学などもあったりする。こうした多くの人たちとの交流も山本さんたちメンバーを元気づけているようである。。
 このように、未来を担う子ども達に命の大切さを教えることは重要である。また、子育て支援と防災知識の普及をマッチングさせることは非常に効果的であると考えられるが、こうした活動例は実は少ないものと思われる。この団体の活動が模範となり、全国に広がっていくことを強く期待するところである。

団体概要

子育て応援!!0,1,2,3サークル
 三重県鳥羽市で、0~3歳の子どもとその保護者を主な対象として、子育て応援活動をしているボランティア団体である。
 平成17年度から、主婦の視点・子育ての視点から、防災啓発活動を行っている。
構成人員
スタッフ5名(全員主婦)

実施期間

 平成18年1月~