第13回防災まちづくり大賞(平成20年度)

「児童に対する防火教育」の継続的な実践及び他校への普及等

優良事例
(一般部門)

「児童に対する防火防災教育」の継続的な実践及び他校への普及等

足立区立西新井第一小学校
(東京都足立区)

事例の概要

■経緯

  • 1 足立区立西新井第一小学校校長(矢萩惠一校長)は「安全な学校生活を考える~地震・津波・火山活動から命を守ろう」(平成14年4月発行)を出版するなど、以前から防火防災の研究家であった。
  • 2 矢萩校長はその豊富な知識から、東京消防庁指導広報部が設置した「児童に対する防火防災教育の推進に係る検討委員会」の委員(平成18年11月7日から平成19年3月30日まで)として児童に対する防火防災教育カリキュラム等の作成に携わり、その検討結果を足立区の小中学校校長会で紹介するなど、その実践を各校長に勧めた。
  • 3 火災、地震や日常生活事故などの災害から子供が身を守るための知識や行動力養成を目指した防火防災教育を消防職員が児童に指導するための教育プログラムについて検討し、東京消防庁の「児童に対する防火防災教育マニュアル」の作成に貢献した。

■経緯

  • 1 西新井第一小学校は、矢萩校長が平成19年度の足立区内小中学校長会会長を務め、「児童に対する防火防災教育の推進に係る検討委員会」の検討結果を実行するため、「西新井第一小学校・平成19年度避難訓練計画」を策定し、地域の消防団や災害時支援ボランティアとも連携した総合防災教育を実践し、防火防災教育実践校として他校に対して見本を示した。
  • 2 他校へも継続的な総合防災教育の実践を促すため、矢萩校長が学校長会において総合防災教育の実践について積極的な普及啓蒙を行うとともに、平成20年度も計画的な総合防災教育の実践を継続中であり、引き続き他校の見本となっている。
  • 3 西新井第一小学校は、平成19年度安全教育プログラム開発委員会の「災害安全部会」推進校に指定され、矢萩校長が東京都学校安全教育研究会会長を務めた。
     年間指導計画例や緊急地震速報発表時における児童の行動について教育例を作成、実践し、東京都教育長へ提出するなど、学校教育における防災教育の推進に貢献した。
     平成20年2月15日には、西新井第一小学校を会場として「全国並びに東京都学校安全教育研究大会」が実施され、学校安全教育の一層の充実を目指した指導のあり方について実践例を示した。更に、平成20年度は、矢萩校長が全国学校安全教育研究会会長となり、現在、全国規模の研究を推進中である。
  • 4 矢萩校長は、総合防災教育実践校である西新井第一小学校の代表として、平成20年6月8日、東京国際消防防災展2008に伴う防災シンポジウムにおいて、「将来の防災リーダー」分科会のコーディネーターを務めた。
     中学校、高校、大学及び消防少年団の各参加団体の代表者からそれぞれの防災に関する取り組みについての発表を聞き、各発表者の効果的かつ充実した意見交換の進行役として将来の防災リーダー育成と防災活動の担い手の確保に繋がる大きな功績を挙げた。また、現在、日本臨床救急医学会の「学校BLS教育小委員会」委員を務めており、学校教育と救急医学会との連携の中で学校教育現場におけるAEDの効果的な活用等について研究し、西新井第一小学校で実践している。

■成果

  • 1 西新井第一小学校の防火防災教育の実践が契機となり、西新井消防署管内だけでも平成19年度中に小中学校等で延べ20校、2,304名、平成20年度中(7月9日現在)に延べ6校972名が「児童に対する防火防災教育マニュアル」を活用した消防職員による防火防災教育を受けた。
     更には、平成19年7月9日に三校合同防災訓練(東京都立足立西高等学校、足立区立上沼田中学校、足立区高野小学校、地元町会、消防団、災害時支援ボランティア、消防職員等1,287名参加)を実施、同年8月31日に足立区立興本扇学園(小中一貫校:旧扇中学校、旧興本小学校760名参加)が防災訓練を実施し、今年度も実施する予定である。
  • 2 このような防火防災教育の実践結果を検証するため、東京消防庁の検証委員会(平成19年12月から平成20年3月まで)において更なる防火防災教育の充実のために検討し、各学校側の理解と防災教育の定着度が高まりつつある現状は、西新井第一小学校が矢萩校長指導のもと幅広く他に実践例を示したことによるところが大きい。

平成20年2月15日・西新井第一小学校
「全国並びに東京都学校安全教育研究大会」

防災頭巾、ハンカチもバッチリ。日頃の指導により非常にレベルの高い訓練

グラウンドに避難完了

マニュアルを活用した防火防災教育

苦労した点

  • 1 防火防災計画の樹立において児童の理解能力の差を考慮し計画する必要があり、通常の学校カリキュラムへの組み込み時、各学年別の実施日と枠組みなどについて効果的かつ効率的な計画に配意した。また、高学年・中学年・低学年ごとに実施する内容と全児童を対象に実施する内容とに分けて計画した。
  • 2 西新井第一小学校の全職員が、通常のカリキュラムの推進と総合防災教育に関するカリキュラムの作成と実践幅を両立させるため、効率的で工夫した業務執行に配意が必要であった。
  • 3 防災シンポジウム分科会のコーディネーターでは、準備期間が短く発表内容の事前把握が不足した。また、当日については、短時間の討議時間で効果的な意見交換を行いまとめる必要があり、進行計画に工夫を要した。

団体概要

教員数24名
児童数651名(1年: 91名, 2年:104名, 3年:103名,4年:119名, 5年:124名, 6年:110名)
* 数字は平成20年7月現在

実施期間

平成18年11月~