第14回防災まちづくり大賞(平成21年度)

事例の内容

■経緯

　船橋会は、小・中・高等学校、PTA、商店街、青年会等と密接に連携し、祭りや盆踊り等を毎年盛大に開催することにより幼児から高齢者まで多数の住民の融和協調を図るとともに、住民の意識を避難所運営訓練、防災訓練等への参加や住警器の設置促進等に導き、幼児から高齢者まで手を携えた地域ぐるみでの防火防災まちづくりを実現している。
　また、命の尊さと有事の際の救命行動力を育てるため、中学校の生徒に対し費用を町会が負担し、平成18年から毎年普通救命講習を受講させている。
　更に、町会において消防団の可搬ポンプ搬送車を購入し維持管理するなど消防団とも強力な連携関係を持ち、地域における自助・共助・公助の連携体制を構築している。

■内容

• 1. 活動期間や活動の頻度
  　平成14年から防火防災を最重要課題とし、毎月5日の常会をはじめ、概ね年間40件延べ230日に渡り町会の各種事業を推進している。
• 2. 取組の規模（参加者や組織数など）
  
  • ①　世帯数 2，800世帯　　住民約 11，000名
  • ②　平成17年度からの避難所運営訓練及び防災訓練：参加延べ人員約2，800名
  • ③　平成21年度の自治会の催物における防火防災コーナー：参加延べ人員約1，800名
  • ④　商店街との協賛催物における住警器設置促進コーナー：参加人員約3，000名
  • ⑤　放火と思われる火災発生時：地区の役員等によるパトロールとポスター貼付
• 3. 地域の防災や社会への貢献度、実施効果
  　行事等を通じ、住民の自助・共助の意識を高め、更に消防団可搬ポンプ搬送車の購入等公助体制にも大きく貢献している。また、防災等活動資金として5千万円を蓄えている。
• 4. 団体が中心となって、主体的に取り組んでいる内容
  　避難所運営訓練、防災訓練、救命講習の推進及び住警器の設置促進並びに消防団可搬ポンプ搬送車の購入・維持管理
• 5. 署や他の行政機関、事業所等との連携の状況
  　毎年8月に消防署と連携し関連団体・事業所等18組織の合同防災訓練を開催し、地域住民等の防災行動力の向上に努めている。
  　また、平成21年6月に発生した船橋一丁目の第二出場火災の後には、消防署と協力して区域内の住宅に対して、住警器設置促進のためローラー作戦を64名で実施した。
• 6. 地域の特性や特色を反映した取組状況
  　世代交代の盛んな住宅地で、工夫を重ねて多くの住民が参加しやすい環境を作り、児童から高齢者まで防火防災意識の高揚を図り、防火防災行動力の向上に取り組んでいる。避難所運営訓練は、「地域防災訓練・学校に泊まろう会」と銘打ち、4～5人用テント35張りを購入し、PTA等と共に学校での体験宿泊を行い、子供達の楽しい思い出作りを兼ねた防火防災の意識付けと後継者育成に取り組んでいる。

■成果

　避難所運営訓練、防災訓練等を地域の重要行事として位置づけ工夫を重ねて開催した結果、年々参加者が増加し、地域の防災行動力向上に成果が見られる。
　各種行事の際には、必ず住警器コーナーを設け、設置促進に向けた成果が大きい。
　当該地域は、成城消防署管内で最も延焼危険度が高くかつ道路狭隘な区域であり、町会としてできる限りの手を尽くし、安全安心な街づくりが進んでいる。

苦労した点

• 1. 多くの住民の参加を考え、各団体等と根気よく話し合い、地域の安心・安全のためという共通認識と防災の大切さを説き、人集めに苦労した。役員が戸別に訪問し参加を勧誘することまで行った結果、今では住民が理解して率先して参加してくれるまでに定着した。
• 2.父兄会、親父の会、各種サークル活動、商店会、青少年地区会、遊び場解放委員会、民生児童委員会、日赤奉仕団、商店街等との連携関係の構築に苦慮した。学区と自治会の区域が異なることもあり、役員がPTAに何度も交渉し理解を求めた。

特徴

• 1. 発足以来62年間に渡り、各種防災訓練を継続して実施し、地域の防火防災行動力の向上を積極的に推進している。
• 2. 各種行事を通じ、楽しみながら幼児から高齢者までが顔見知りになれるよう工夫し、小・中学生の防災訓練への参加、消防団との連携など地域の共助体制を構築している。
• 3. 救命講習の重要性を強く認識し、町会が費用を負担し、中学生に救命講習を受講させている。防災等活動資金として5千万円を蓄えており、地域ぐるみで有事に備えている。

団体概要

当船橋会の地域には、世田谷区長が居住され、住民の安心・安全を推進している。

実施期間

　平成14年4月～