昭和61年10月11日エルサルバドル地震災害

被災地での活動状況(3)

エルサルバドル地震災害

地震の被害状況 国際消防救助隊の構成等
携行救助資機材 出発までの動き
被災地での活動状況(1) (2) (3) (4)
各国救助隊の体制 第2次派遣隊
現地での新聞報道及び反響 帰国後の動き
外務省の支援
体験記(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)

被災地での活動状況(3)

10月13日(月)(現地2日目 快晴 日中30℃以上)

活動方針

  • ・ とりあえず前日の活動場所で現地人から情報を収集するとともに、ファイバー・スコープを最大限に活用した検索を重点に、救助活動を再度実施する。
  • ・ 活動拠点を決定し、ファイバー・スコープ以外の救助資器材を集結する。(図◎の位置)
  • ・ ファイバー・スコープの発電機の燃料を確保する。
  • ・ 要救助者発見時は、直ちに救出救護活動に入る。
  • ・ 大使館員等の通訳を確保しながら救助活動を行う。
  • ・ 活動中の二次災害防止に配意する。

活動内容

  • ・ 7時00分現場に到着したが、アメリカ隊の姿はなく、バルディ氏が来てスイス隊と共同で救助活動をしてほしい旨の要請があった。
  • ・ 7時00分に作業開始、前日、ファイバー・スコープで検索した図1の場所で再度救助活動を実施するとともに、倒壊ビルの亀裂部分からの検索を同時に開始した。
  • ・ 図1の場所を検索したが、要救助者の確認はできなかった。現地人の情報などをもとに場所を変更し、図2の場所をファイバー・スコープで検索した。
    8時40分頃、ファイバー・スコープにより要救助者の足を発見した。直ちに救出救護活動を開始する一方、各国の救助隊及び各報道関係者にファイバー・スコープの映像を公開した。
  • ・ 削岩機で屋上に直径約1メートル、深さ2メートル位の穴をあけ、そこから救出することとした。
    削岩機、エンジン・カッターをスイス隊から調達するとともに、スイス隊と共同で実施した。なお、救助活動にあたっては、スイス隊の救助犬を作業中の穴の中に入れ、他の部分を検索させながら活動を進めた。
  • ・ 11時15分、女性1名発見したが、すでに遺体であった。
  • ・ 11時45分頃、イタリア隊が、ルーベンダリオビルに到着し、第2ビルを担当した。
  • ・ 13時00分頃、第1ビル内3階から自力脱出したという男性から、図3(北西)の場所の3、4階に5名の人がいたとの情報を得て、この場所で救助活動を開始した。
  • ・ 15時00分頃、スイス隊とともに、図4の一で直径1メートル位の穴を2階部分まで掘り、屋上部分から要救助者を引き上げる作業を行い、15時23分救出した。
     氏名 アナベルマ・アルファロ・デ・マキロン
     1959年3月29日生(27才)女性
    さらに、17時30分頃もう1名の生存者をスイス隊と共同して救出した。
     氏名 ロサ・マルディロ・カジィス・アルモージャ
     1960年11月21日生(26才)女性
    その後、図3において活動を続行し、19時00分頃活動を打ち切った。

ルーベンダリオビル付近図