ニュージーランド南島地震災害
地震の概要 派遣期間及び派遣先 派遣隊の構成
被害状況 経 過(1) (2)
国際消防救助隊隊員名簿
派遣・活動概要(1) (2) (3) (4)
主な使用資器材 さいごに
7.派遣・活動概要
(2) 国際緊急援助隊(JDR) 救助チーム第1陣
2月22日(火)
日本時間18時10分、ニュージーランド政府より日本国政府に正式に援助要請があり、日本国政府が国際緊急援助隊救助チームの派遣を決定したことを受けて準備を開始。
21時50分、消防庁長官が正式に国際消防救助隊の派遣を決定し、当番登録5消防本部(東京消防庁、京都市、千葉市、相模原市、高松市)に派遣準備を要請。
2月23日(水)
派遣隊員は、10時20分に成田国際空港第2ターミナルに集結完了し、A-1待合室において当番消防本部から15名、及び消防庁から1名の計16名をもって国際消防救助隊発隊式(IRT-IF)を執り行った。発隊式では、消防庁国民保護・防災部深澤参事官から中本総括官(消防庁)へ辞令交付及び五十嵐隊長(東京消防庁)の隊長指名(既に先遣隊として派遣)を実施した。発隊式後にメディカルチェック、JICAからの個人装備品等の配布が行われた。
その後、メディカルチェックを経て、IRT隊員16名を含む片田副団長以下63名のJDR隊員のほか、外務省、警察庁、消防庁、海上保安庁及びJICA関係者出席のもとJDR救助チームの結団式をA-2・3待合室にて実施。14時過ぎに政府専用機にて成田空港出発。
2月24日(木)
現地時間4時16分、JDR救助チームがクライストチャーチ空港に到着。検疫及び入国審査実施後、先遣隊である緊急調査チームと合流。
クライストチャーチ市内へ向け空港を出発し、ラティミアスクエアに到着。
団長、副団長、中隊長及び小隊長等で被災現場(CTVビル)を確認。被災現場からBoO(ラティミアスクエア)までは約500メートルの距離で、豪州クイーンズランド州救助隊が活動中であるとの情報を得た。
隊員は、BoOの設営を開始。
午前11時からCTVビルにおいて2か所(A地点及びB地点)に分かれて救助活動開始。CTVビル活動現場の総指揮は、ニュージーランド警察が担当。ビルは地上6階建てで、地震当初2階部分に15名、4階部分に30名から110名、5階部分に4名から5名の方がビル内にいて安否が確認できていないとの情報を得た。JDRチームは、オーストラリア・クイーンズランドチームと合同でCTVビルの捜索救助活動を実施し、東西に区分けした西側部分を担当し、A、B及びC地点に振り分け捜索救助活動を展開。中隊(第1中隊は第1小隊及び第2小隊、第2中隊は第3小隊及び第4小隊)で一時間半ずつ交替しながら活動を継続した。手作業や重機を活用し瓦礫を除去しつつ、救助犬や資器材を活用し捜索活動し国籍、身元不明の複数のご遺体を発見した。
ニュージーランド警察指示で、CTVビル東側30mの隣接ビルの現場鑑識場に全て搬送。
翌朝5:30まで約2時間ごとに交替で小隊単位で活動実施。
2月25日(金)
昨夜に引き続き24時間体制で夜小隊単位で活動継続。クレーンによる鉄骨除去作業終了後、重機による瓦礫の撤去作業と連携しながら、救助犬や資器材を活用し捜索活動実施。
その後、小隊単位から中隊単位に切替え、交替しながら活動継続。
A地点は手作業による掘削作業、B地点は重機によりコンクリートをはがし、手作業による掘削作業を実施。この後、余震が2回あり、活動が中断となったが、夜間も小隊単位で2時間交替の活動を継続した。
2月26日(土)
昨晩と同様、未明まで小隊単位で検索活動を実施。中国隊10名のCTVビルでの現場活動について、ニュージーランド、豪州クイーンズランド、日本及び中国の四者協議を実施。26日正午に豪州隊とニュージーランド隊が交替し、その後中国隊が加わり、CTVビル現場では3ヵ国が合同で活動することが決定した。
午前8時半前、中隊での活動に移行。ニュージーランド警察からの要請で、豪州クイーンズランド隊の活動地点での搬送活動に協力した。
夜間も小隊単位で交替で活動を継続した。
2月27日(日)
昨夜に引き続き、10時30分過ぎまで交替で小隊単位で活動。ハンドラー、救助犬、救助員が残存建物内部へ進入し、検索活動を実施したが、生存者の反応はなかった。
中隊での活動に移行後、ニュージーランド隊と今後の活動について協議し、JDRはA、B地点より建物方向への瓦礫の除去及び検索活動、ニュージーランド隊は、C地点から活動することが決定した。
JDR担当エリアでの活動終了後は、ニュージーランド隊の活動の安全監視隊として5名を配置、画像探査I型による検索活動、瓦礫の除去作業を実施した。
19時30分、ニュージーランド隊の活動終了に伴い、夜間の活動を終了した。
2月28日(月)
6時30分から、18時まで中隊単位で要救助者の検索活動、安全監視活動を実施した。
3月1日(火)
6時30分から、18時過ぎまで中隊単位で要救助者の検索活動、コンクリート等の切断除去作業、安全監視活動を実施した。
発災から1週間が経過したことから、各国活動隊、ニュージーランドほか関係者が発災時刻(12:51)にCTVビルに集合し黙祷を捧げた。
第1陣派遣隊の活動は18時過ぎに全て終了。
3月2日(水)
21時55分、政府専用機にてオークランド空港へ出発
23時15分、オークランド空港到着。
3月3日(木)
現地時間2時10分、政府専用機にて日本へ向けオークランド空港離陸し、帰国の途についた。
日本時間8時50分、成田国際空港に到着。
国際緊急援助隊(JDR)救助チーム解散ミーティングを実施、専用バスで総務省消防庁へ帰庁後、総務大臣室において片山善博総務大臣に活動報告。その後、消防庁長官に活動報告を行った。