平成17年10月9日パキスタン・イスラム共和国地震災害

活動の詳細(4)

パキスタン・イスラム共和国地震災害

地震の概要 被害状況 派遣要請・出発 派遣期間等
派遣隊員 活動の詳細(1) (2) (3) (4) (5) (6)
捜索救助活動中の環境 国際緊急援助の課題
おわりに

6.活動の詳細

(4)捜索救助活動3日目(10/12)

 10月12日早朝5時に起床し、7時に全隊でパキスタン軍のトラック等に分乗してバターモリ集落に向かい、途中のやや狭い山道の落石を隊員が除去するなどしながら進み、8時30分頃に現場に到着しました。
 現地住民によると、家と家の間の幅2m弱、長さ20m強の通路に家の壁が崩れ1.5m程度堆積した場所に、若い女性が埋まっているはずだとのことでした。一緒に逃げた幼い少女の話を聴取するなどしながら、炎天下、隊員はスコップ・鍬及び徒手で、粉塵と汗まみれになりながら作業を進め、その後、臭気がすると隊員が指摘する場所について捜索を行いましたが、午前中は要救助者を発見することが出来ませんでした。

 午後になって場所を若干変えて掘り進めたところ、14時前にポニーテールに結った頭髪を発見し、その体を隊員の手で掘り出しましたが、14時15分頃に同行したドクターにより死亡が確認されました。すぐに家族・親族らが衣類等の特徴から18歳くらいの女性本人であると確認し、遺体を引き渡しました。
 遺体の状態から見てほぼ即死状態であったと思われますが、生存者として救助できなかったことが可哀想で残念でした。遺体の引き渡し後、被害者の女性の父親から我々に対し、「遺体がなければ宗教上の葬式も出来なかった。日本国政府及び日本の援助隊の皆様に大変感謝している。」旨の言葉があり、複雑な思いが胸に込み上げたことを覚えています。

 その他に生存者の可能性はなかったことから、その日の捜索救助活動を終了し、ベースキャンプに戻り、パキスタン軍のバトグラム郡における責任者に我々の活動を報告しました。そして、我々の任務は生存者の救出であるが、既に生存者の可能性はなくなっている旨を伝え、明日の活動をもって作業を終えて撤収することについて相談し、了承を得ました。

被害女性の父親から感謝の言葉を受ける