平成11年8月17日トルコ共和国西部地震災害

今後の課題と検討事項

トルコ共和国西部地震災害

災害の概要 派遣要請等 活動概要 主な使用資器材
生存者の救出活動状況 派遣隊員及び部隊編成等
今後の課題と検討事項 総括所感

7.今後の課題と検討事項

 今回のトルコ地震災害におけるIRTの災害活動を通じて、現地入りするまでのアプローチ、装備品、現地での活動要領等の様々な点で検討すべき事項があった。

  • 1 派遣に関する事項について
    「顔の見える国際貢献」が叫ばれる中、被災地へいち早く赴き救助活動に着手することが生存者救出の生命線と言える。今回の派遣についても要請から新東京国際空港集結まで4時間余りという短時間で対応した。このことは、関係各機関が地震発生から綿密な情報収集を行い、派遣があるものとして備えていた賜物であるといえる。今後も一層迅速な対応を図る必要がある。
  • 2 救助活動に伴う装備品について
    今回の派遣において被災地に携行した資器材・装備品(JICA分)の見直しを行い使用頻度の高い資器材と低い資器材を分類するとともに、次回の派遣の時に必要と思われる資器材について提言し、それぞれ整理、補充及び増強していく必要がある。
  • 3 ロジスティック体制の確立について
    効果的な救助活動を行うためには、隊員の健康管理と栄養補給等のロジスティック体制の確保が必要である。建築物等の倒壊、落下物等のある極めて高い危険な環境での活動や隊員の責任感が先行するあまりに発生する怪我、事故、または、過労や水、食物による体調不良等が常に懸念されるところである。
    予想される怪我、事故及び隊員の健康管理に備えることはとても重要であり、国際緊急援助隊の自己完結思想から、常に、医療班(医師と看護婦)と一体となった救助チームを編成することが望ましい。
  • 4 報道対応について
    国際緊急援助隊の活動は、国内外を問わず様々な関係の報道機関から注目される。救助隊の言葉には、重みがあることを各隊員が自覚して対応すべきである。今回の派遣でも、報道担当者を指定し対応の一元化を図りスムーズな対応を図ることができた。