平成9年10月22日インドネシア森林火災

(第一次国際緊急援助隊専門家チーム) 派遣期間~活動概要

インドネシア森林火災

派遣期間~活動概要 ボルネオ島上空の濃煙
インドネシア森林火災災害に感じたこと 活動写真

(第一次国際緊急援助隊専門家チーム) 派遣期間~活動概要

1.派遣期間

平成9年9月29日(月)から10月10日(金)まで12日間

2.派遣メンバー 計6名

消防専門家 2名(消防庁消防研究所、消防庁救急救助課)
医療専門家 2名(国立国際医療センター)
外務省 1名(経済協力局国際緊急援助室)
JICA 1名(国際協力事業団)

3.派遣地

インドネシア共和国 スマトラ島 ジャンビ州及びランポン州

4.任務等

  • (1) 火災の消火対策に関する助言・指導
  • (2) 医療対策に関する助言・指導

5.活動概要

  • (1) ランポン州政府関係者、ジャンビ州政府関係者及び現地調査を総合すると、右2州の全体の火災状況は若干改善の方向にあるが、現地調査を実施したジャンビ州では、未だ6カ所の泥炭層地域の火災が鎮静化されず、延焼拡大阻止のための懸命な消火活動が行われている。
  • (2) ジャンビ州周辺は濃い煙霧に覆われ空中消火は不可能。また、火災地点へのアクセス、消火用水確保の困難性、消火機材の不足等の状況を判断すると、消火活動は困難を極めていたが、消火のための地元住民の動員力や消火技術等については、基本的レベルに達していたので、現在の切迫した状況を踏まえ、活動現場において消火対策上の補足的な指導・助言を関係者に行った。
  • (3) 現地における消火活動の実態を見ると、消火のための資機材の不足が顕著であり、州政府関係者の意見交換をも総合し、可搬式動力ポンプや組立簡易水槽等の消火機材の追加支援が早急に必要である旨を在インドネシア日本大使館に連絡した。
  • (4) 煙霧が原因の長期間にわたる大気汚染によって健康を害する住民が多く発生しており、住民の健康サンプル調査の結果を踏まえると、状況は非常に悪く、大気汚染に関する環境調査の継続実施や住民の健康診断と治療体制の充実が急務である旨現地政府関係者に助言した。
  • (5) その他例年発生する森林火災について、森林の防火管理、出火原因別の防止対策、啓蒙運動の推進、消火体制と技術の検討、泥炭層火災の消火マニュアルの見直し、消火資機材の充実、火入れ・焼き畑の規制と監視体制の強化等について所見として報告した。