平成8年10月30日エジプト・アラブ共和国ビル崩壊事故

活動総括

エジプト・アラブ共和国ビル崩壊事故

災害概要 活動概要
救助活動に使用した資機材(主なもの)
派遣隊員 派遣等経過 活動総括
今後の課題と検討事項 総括所感 活動写真

6.活動総括

  • (1)29日14時45分外務省の派遣要請を受けて、30日10時54分成田発ロンドン経由の現地入りであった。28日13時過ぎに事故情報を得てから以降、派遣要請の有無を含め、外務省、JICA、関係消防本部等との連絡・調整等の派遣準備に、課内全員が対応に追われた。
  • (2)事故に関する情報が少ないなかで、現地での活動体制をどのようにし効果を挙げるか、又、我々の活動に対するサポート(宿泊、食事、交通アクセス、言葉等)が十分得られるかどうか等について、現地入りするまで不安であった。
  • (3)現地入り後直ちに現場に赴き、事故の状況把握と現場最高指揮者との打ち合わせに入るが、崩壊の状況から救助活動は、困難を極めることが予測出来た。
    初期段階の活動重点は、生存の可能性のある箇所での人命検索活動を最優先に行うこと。それ以降は、現地隊と連携してコンクリート瓦礫等を除去しながら要救助者の発見救出に当たること、として活動に当たった。
  • (4)派遣隊員を、2グループ4班の部隊編成を行い、グループごとの8時間交替とし、救助活動を実施した。なお、日本隊が発見・救助した者5名(いずれも死亡)。
  • (5)現地隊の重機を併用した発掘と検索活動が順調に進み、日本チームが活動を開始してから3日目で活動終了となった。
  • (6)活動は、3日間延べ61時間と比較的短期間で終了したものの、
    • ・現地入りに約19時間を要したことに加え、即資機材準備に続いて活動を実施したこと。
    • ・コンクリート瓦礫等の落下、土砂の崩落危険、粉塵・悪臭の中での深夜を徹した活動であったこと。
    • ・8時間交替の活動としたが、現場と宿泊先の往復、交替引継時間、身体衣服の洗浄等に時間が費やされたこと。
    等から2日目には隊員の疲労がピークに達した。
  • (7)在エジプト日本大使からの激励、JICA現地事務所員等の積極的な支援が得られたことと併せ、地震等広域的な災害でなく局部的な災害事故現場であったこともあり、活動以外の面での行動は、比較的スムースに行うことができた。
  • (8)発隊式及び出発に当たって、東京消防庁には、各消防本部派遣隊員の前日の宿泊、車両手配、電磁波探査装置の携行等について支援・協力をいただいた。