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2. 消防防災に関する情報通信の役割と課題

2.1 背景(過去の教訓)

 昭和39年6月に発生した新潟地震では、液状化による建築物の倒壊や製油所タンク火災など大きな被害が発生し、当時電電公社の公衆通信回線が甚大な被害を受け、東京〜新潟間の通信連絡が途絶したため、被害状況がつかめず、災害救援対策に遅れを生じた。これをきっかけに国と地方を結んだ消防防災無線など、災害時の情報通信ネットワークの整備・多ルート化が行われるようになった。
 大規模災害時における “情報の空白”は、 1995年の阪神淡路大震災においても課題とされ、この災害を契機に、危機管理体制の見直しや緊急消防援助隊制度の整備、震度情報ネットワークや地震被害推定システムの整備運用が行われた。


 図2-1は、阪神淡路大震災において、被災した自治体による死者数の把握状況を、最終報告数を1とした場合の、時間変化をグラフ化したものである。北淡町や伊丹市など都市規模や被害数が小さいところと比較して、神戸市や大阪市など都市規模が大きく被害数が多い自治体は、グラフの立ち上がりが緩やかで、情報の収集に時間がかかっている。これより、都市規模(人口)が多く、被害が大きいほど情報収集に時間がかかるといったことがわかる。 
図2-1
図2-1 阪神淡路大震災での主な自治体による死者把握数の時間変化
(座間信作, 細川直史, 他, 被害情報の早期収集システムに関する研究,消防研究所技術資料第40号, 1997)