安達太良山-解説
日本の火山情報
解説-安達太良山(あだたらやま)- |
1.火山の緒元
火山名 安達太良山
地 域 福島県北部
標 高 1,709m
北 緯 37°37' 46''
東 経 140°17' 11''
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2.安達太良火山の概要
福島県二本松市の西側に位置する安達太良火山は、北側から箕輪山、鉄山及び安達太良山、和尚山の3つの山体からなる火山群です。安達太良火山の周辺は、北側に吾妻火山、西側に磐梯山があり、火山の活動度の高い地域です。鉄山と安達太良山を結ぶ尾根線の西側には直径1kmの沼ノ平火口があり、火口の内部は火山活動のによる変質で白く変色しています。沼の平火口の内外には、硫気・温泉地帯が諸所に存在し、1997年9月15日には火山ガスによって登山者4名が亡くなるという事故がありました。
3.安達太良火山の形成史
安達太良山本体の活動は、地質学的に3活動期に区分することができます。第1期は約55〜45万年前、北部及び南東部で起こった比較的小規模の先駆的活動で、鬼面山溶岩ドームと前ヶ岳の山麓部を形成しました。第2期は35万年前頃、南東部の前ヶ岳頂部から南部の和尚山周辺の山体が形成された溶岩流主体の噴火で、本火山最初の活動ピークと考えられます。第3期は噴火様式や規模の違い、テフラから推定される活動休止期から、3つの時期に細分できます。3-1期は約25〜20万年前頃で、東中腹部における溶岩流の流出があり、同時期に箕輪山が形成されました。3-2期は約12万年前にあたり、爆発的な噴火活動に伴って鉄山下部、矢筈森、安達太良山頂部の各山体が形成されました。3-3期は約10万年前以降にあたり、沼の平火口付近を中心として、火口の南西から西方の山体を形成しました。また、ほぼ同時期に沼の平火口の北縁でやや爆発的な噴火が起こり、鉄山頂部やその付近の地形を形成しました。
4.最近の噴火活動
明治時代以前の噴火については確実な記録は残っていません。明治時代に入って、1899年〜1900年には規模の大きな活動がありました。1899年の初めから噴気活動が活発化、沼ノ平火口で小爆発(8月、11月)が起こりました。1900年に入って、7月に大きな爆発があり、沼ノ平火口内に新噴火口が形成されました。当時、沼ノ平内にあった硫黄精錬所が被害を受け、多くの死者を出す被害が出ました。
5.噴火様式と噴火災害の特徴
最近の安達太良火山の活動では、水蒸気爆発の活動が主体で、1900年の噴火も水蒸気爆発であったろうと言われています。したがって、火口付近では、爆発に伴う降灰や噴石の放出などの危険性があると考えられます。また、1997年9月15日には沼ノ平火口で火山ガス(H2S:硫化水素ガス)によって14名のパーティーの内4名が亡くなるという事故も発生しています。
6.ハザードマップ
安達太良山火山防災マップ
7.観測施設および付近の気象官署
観測機関
・ 東京工業大学
・ 東北大学
付近の気象官署
・ 福島地方気象署 |
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