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家具転倒防止ボランティア「いざ!そなえ隊」で防災まちづくり

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優良事例
(一般部門)

家具転倒防止ボランティア
「いざ!そなえ隊」で防災まちづくり

NPO法人阿波グローカルネット
(徳島県徳島市)

事例の内容

<経緯>
 当法人は、高齢者あるいは難病、障害を持つ当事者やその家族に対して、自立や社会参加のための情報支援や生活環境の改善を支援する活動を行い、地域福祉社会の実現に寄与することを目的として設立された。
 近年起こった大きな地震では、倒れた家具に挟まれたり、割れたガラスを踏んで怪我をするケースが非常に多い。今世紀前半にも発生が予測されている南海地震を控え、家具の転倒防止は個人でできる効果的な対策であるが、高齢者、障がい者の世帯にとっては、やりたくてもできない状況にあり、これらの人々に対する支援が重要な課題となっている。
 そこで、徳島市の協働提案事業支援制度に「家具転倒防止ボランティア」の育成・派遣事業を提案し、平成18年度から徳島市危機管理課との協働事業として行っている。

<内容>
① 家具転倒防止セミナー入門編、実践編、出前講座を実施
 入門編では、一般市民を対象に地震の特性と家具転倒防止の有効性や家庭でできる家具の固定などを説明する。その後、実践編では家具転倒防止の方法を学び、各種工具の使い方やガラス飛散防止フィルムの貼り方などを実習する。平成18年8月から19年9月までに、各地区コミュニティセンター等において出前講座を36回開催し、1,000名を超える参加者があった。
② 家具転倒防止ボランティア「いざ!そなえ隊」の派遣
 平成18年12月に募集を開始し、現在、「いざ!そなえ隊」のメンバーは20名。おおむね65歳以上の高齢者の単身または夫婦のみの世帯や障がい者世帯を対象としている。
まず始めに、事前調査で一級建築士が訪問し、本人の要望を聴き、家具の移動や処分も含めて安全対策を提案し話し合う。計画書・見積書の内容に納得すれば、派遣申請書を提出してもらい、後日、「いざ!そなえ隊」を編成して派遣し、家具の固定やガラスの飛散防止対策を行う。
③ 啓発パネル等の制作
 転倒防止器具の取り付け方法を説明した写真パネルを作成し、講習会で展示するとともに、貸出しを行い、各地域での防災意識啓発に活用している。
 今年度は、動画マニュアルを作成するため、現在、準備中である。

県主催防災セミナー派遣 こども防災カーニバル
「いざ!そなえ隊」派遣 「いざ!そなえ隊」実践セミナー

苦労した点

 ボランティアを募集しても、最初はなかなか人が集まらなかった。家具の固定の仕方やフィルムの貼り方といった技術的な面だけでなく、事業の趣旨をわかってもらいながらじっくり育てていくことが必要である。一度、実践してもらうと、その家の人から感謝されることにより、やりがいを感じているボランティアが多い。
 現在、派遣の申し込みが多くなっており、待ってもらっている状況である。現在のスタッフだけでやっていくには限界があるし、ここだけで完結してしまっては意味がない。今後は、各地域での組織づくりへ広げていくために、行政との連携や協力を求めていく必要がある。

特徴

 当法人のモットーは、「当事者の生活の質の向上と自立への支援」であり、そのためには、当事者と行政、または当事者と企業等をつなぐ役割を担うコーディネーターの存在は欠かせない。
 地震対策といって、ただ単に家具を固定するだけでは、本当の満足は得られない。生活する人の視点から、その想いを汲んで、納得できる安全対策をすることが重要であり、地震時の被害を最小限に抑えるとともに、住み慣れた地域で安心して暮らせる生活環境を提供することが求められる。今後は、できるだけ多くの地域で家具転倒防止リーダーの育成及びボランティアの登録を確保し、ノウハウを伝えていくことで、それぞれの地域での事業の自立化を目指している。
 「グローカル」とは、専門家として広範囲(グローバル)な視点をもちながら、「徳島」という地域(ローカル)にこだわって活動する姿勢を表現した造語で、この名前に私たちの想いを込めている。

団体概要

設立年月日:平成15年10月6日
代 表 者:代表理事 本田 圭一
会 員 数:30名

実施期間

平成8年〜