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下水道の資源や施設を利用した防災施設




札幌市下水道局(北海道)



事例の概要

 札幌市では、阪神・淡路大震災を契機に「地域防災計画」を総合的に見直しを行い、平成10年6月に全面改定したところである。本市下水道局においても、「地域防災計画」の目的に沿って、以下のような下水道の持っている資源や施設を利用した防災施設づくりに取り組んでいる。
1. 下水処理水を水源とした消火栓
  本市北区を流れる屯田川をはじめとする3河川に、小河川のせせらぎを回復させることを目的として、創成川下水処理場から下水高度処理水を送水する事業である。送水管の途中に地下式消火栓を9箇所設置している。住宅地となっている沿線住民の防災にも役立てている。
 (平成10年3月完成)
2. 多目的調整池(防火用水貯留槽)
  本市では、豊平区豊平6−3地区に下水道局庁舎を建設した。この地区は都市計画法上の準防火地域内にあり、かつ火災延焼拡大区域にも指定されている。しかし、付近に防火水槽が整備されていなかったことから、庁舎屋上の雨水を貯留する防火水槽を設置し、消火用水として利用することができるようにした。併せて水槽から溢れた雨水は、周辺道路上の雨水とともに防火水槽と一体で設置する雨水浸透施設へ流し、地中に浸透させ、地区の浸水対策及び地下水の涵養にも役立たせている。さらに、冬期間はこの浸透施設を庁舎の融雪槽として利用し、一年を通じて施設を有効に活用している。(平成10年11月完成)



地下式消防栓の概要


屯田地区小河川導水計画図


多目的調整池 イメージ図


多目的調整池の融雪槽としての利用状況



苦労・成功のポイント

1. については、設置した地下式消火栓9箇所の内3箇所については管理人孔を、残りの6箇所については通水時のエアー抜き施設をそれぞれ兼用しており、施設の有効利用に配慮している。
2. については、下水道局新庁舎を建設する際に下水道としての特色を発揮でき、かつ現実的で経済的な必要性の高い施策の検討を行った。利用可能な施策としては、防火水槽、雨水貯留浸透槽、融雪槽の3つとなり、これらを複合的に利用できる施設としてこの多目的調整池を建設したが、これら施設の諸元を整合するのに苦労した。



成果・展望

 従前の下水道の役割は、下水を処理し、河川等の公共用水域に速やかに放流することであったが、1は小河川のせせらぎの回復と防災施設として消火栓の役割、2は雨水を利用した防火用水槽(非常用用水)と雨水貯留浸透施設(下水道への雨水流入量の抑制・浸水対策・地下水涵養)及び冬期間の融雪槽としての役割をそれぞれ持たせている。 このように、従前の下水道の役割に加えて、循環型リサイクル社会に寄与し、かつ地域住民に対しての防火に寄与する非常に有効な役割をもった施設であり、今後とも、これら事例に加えて下水資源、施設の有効利用等を積極的に進めていく予定である。



事業年度

1. 平成8〜9年度
2. 平成10年度



事業費

1. 総事業費:約11億円
2. 総事業費:約4千万円



団体の概要

 下水道局在籍職員数667人



施設の概要(防災ものづくりのみ)

1. 送水管延長:約5.1
  地下式消火栓:全9箇所(通水時エアー抜き施設:6箇所、管理人孔マンホール:3箇所)
2. 防火水槽容量:100m3
  雨水浸透ます容量:32m3