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日本橋川常盤橋防災船着場の完成




東京都第一建設事務所(東京都)



事例の内容

<経緯>
 近年の余暇時間の増大や環境保全の意識の高まりを背景に、河川の親水性や河川水面の利用が注目されている。東京湾周辺の河川には、プレジャーボートや屋形船等の船舶が急激に増加し、都民が河川で楽しむ機会が増大した。
 こういった状況の中、河川と都民を結びつける船着場の二一ズが非常に高まっている。とりわけ、平成7年1月の阪神・淡路大震災を契機として、災害時における河川船運の有効性が注目されている。水上交通網を整備することによって、災害により寸断された陸上交通網の補完や物資輸送の道路負担の軽減等、河川の役割に期待する所が大きい。
 東京都では、都内既設32箇所の船着場に加え、新たに41箇所の防災船着場を整備する計画を策定した。平成12年7月にその第1号として、日本橋川常盤橋防災船着場が完成した。

<内容>
 当船着場は、JR東京駅の北側約300mに位置し、営団地下鉄三越前駅に隣接し、災害時に緊急交通路として確保される外堀通りに面するなど、交通の要所に建設した。
 この地域は、日本銀行を始めとする金融・証券・百貨店などの商業・業務地区であり、「中央区地域防災計画」によれば、災害時には、約40万人の帰宅困難者が発生することが予想されている。また、防災拠点として、皇居前広場等の避難場所があり、大量の食料、人員供給のための輸送経路を確保しなければならない場所となっている。
 船着場の完成を広く地域の人々に周知するため、完成式典に合わせて、地元両区(中央区、千代田区)の主催で、災害時の緊急避難訓練を行った。両区職員とボランティアの船による傷病者避難訓練及び緊急物資輸送訓練を2時間にわたり行った。

<特色>
 船着場の構造は、日本橋川が東京湾の潮位の影響(AP±0.0m〜+2.1m)を受けるため、満潮と干潮の両方に対応できる2段構造の桟橋となっている。
 また、設置箇所が干潮区間であるため、国内では初めての試みとして、構造材はすべてサビに強いステンレスを使用した。
今後、引き続き第2号、第3号の防災船着場の整備を着実に進め、災害時の避難体制の向上を図っていく予定である。



防災船着場



船着場配置計画


船着場周辺図


船着場正面図



苦労・成功のポイント

<苦労した点>
 防災船着場の整備箇所は河川幅が狭く、河川内に首都高速道路の橋脚が立ち、対岸は江戸城外濠の石垣などの文化財が近接している等、船着場としては非常に悪い条件である。そこで、現場で実際に船舶を発着させて検討をする等、構造を決めるために苦労した。

<成功した点>
 関係者及びボランティアの協力により、実際に船舶を使用した防災訓練が具体的かつリアルに再現され、地域の人々に周知することができた。



成果・展望

<成果>
 防災訓練を実施したことにより、防災船着場を地域の人々に認識してもらうことができた。これにより、防災意識を高めることとなった。

<展望>
 今回の防災訓練を契機に、船着場を使用した防災活動が地域に周知され、今後更に、防災船着場を計画的に整備していくことにより、災害時の避難体制が着実に向上することが期待される。また、船着場を利用したプレジャーボートの利用など、都民生活に潤いをもたらす施設にしていきたい。



実施期間

 平成11年〜12年



事業費

 75,600,000円