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5 火山地域の地盤災害

火山地域の地すべり

 火山周辺の温泉地帯では、地盤が熱水変質を受けて粘土化し、地すべりを起こしやすくなっている場合がある(図1.5.4)。このような地すべりは温泉地すべりと呼ばれ、大規模なものは、1953年(昭和28年)年箱根大涌谷で起きており、岩層・土砂80万m3が流出し、 多数 の人命が奪われた。
 最近では1997年(平成9年)、秋田焼山山麓北東4kmの澄川温泉地区の例がある。5月8日から断続的に発生した地すべりは10日未明に大規模地すべりに発展、多量の熱水湧出を伴い、翌11日朝水蒸気爆発、発生した土石流約70万m3で澄川温泉および赤川沿いの下流の赤川温泉は壊滅、国道341号線も一時不通となった。地すべり塊は400〜600万m3、高さ60mの滑落崖を生じた。事前の避難により人的災害は免れた。なお、秋田焼山はこの3ケ月後(8月16日)山頂火口内で1951年以来46年ぶりに小規模の水蒸気爆発を行っている。
 また温泉の作用がないところでも、火山噴出物(透水層)と基盤岩(不透水層)との境界付近が地下水の作用で粘土化し、地すべりを起こしやすい。
図1.5.4 佐賀県太良町権現山の大崩壊熱水変質を受けたAT(凝灰角礫岩)の基底部が、地下水(火山山麓湧泉)の通路となり著しく粘土化してすべり面となり頂部から落差約40mの大崩壊を生じた。
図1.5.5 澄川温泉地区1997年地すべりの地形変化と流下堆積物分布

*13 遠藤・高橋(1997):秋田県澄川温泉における地すべりと水蒸気爆発・岩屑なだれ堆積物,地質ニュースNo.515,p35〜43.