防災展示場
消防防災GIS
災害写真データベース

3 火山噴出物による直接的災害

小規模火砕流による被害(2) 雲仙1990〜95年噴火の火砕流

 雲仙1990〜95年噴火の火砕流 雲仙火山の1990〜95年噴火は、わが国では久しぶりの火砕流発生事件だった。計44名の犠牲者を出しかつ家屋焼失などの多大な物的災害を生じ、1926年以来国内最悪の火山災害ともなった。山頂に生じた高粘性溶岩(溶岩ドーム)の先端が崩落して火砕流を発生するという典型的なメラピ型火砕流、すなわち「熱雲」だった。
 噴火開始約半年後の1991年5月20日に山頂火口に高粘性デイサイトの溶岩が噴出、火砕流の発生はその4日後の5月24日から始まった。山頂の急斜面上で成長する溶岩ドームから未固結の溶岩塊が崩落、これが谷底で粉砕され火砕流として流下した。6月3日には約4km東の北上木場地区に達して43名の犠牲者をだす惨事となった。粉砕溶岩片を多量に含む火砕流本体は水無川の谷底沿いに進んだが、火砕流本体より気体に富む上部は軽く容易に斜面にも駆け上がった(火砕サージ)。このため低位置を避けて比較的高い位置にいた人たちも犠牲となっており、火砕流の恐ろしさをみせつけることとなった。
 溶岩ドームの成長に伴って火砕流の流下範囲は徐々に拡がり、ドームの西側を除くすべての方角が火砕流の流下方向となった。被災面積約14km2、火砕流は95年2月の活動停止時までに数千回発生した。火砕流堆積物の総体積は約0.1km3、溶岩として噴出したマグマの約半分が火砕流と化し、約半分が溶岩ドームとして残存している。
図1.3.8 雲仙噴火(1991-1995)の火砕流および土石流堆積物分布