防災展示場
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3 火山噴出物による直接的災害

航空機の火山災害-(2) 火山灰と航空機の被害内容

 国際線の巡航飛行高度(おおよそ1万メートル)付近を浮遊する火山灰は、細粒(粒径が数〜10ミクロンメートル)、硬質・研磨性(固く形状不規則な石英粒子が多い)、溶融・ガラス化(1000℃前後で溶融)、腐食性(酸性成分を含む)、粒子の帯電という特性を有する。しかも、固体粒子が降下した後も火山ガス成分は酸性の微細な液滴からなるエーロゾル層として時には2〜3年も成層圏下部に滞留する。これらの特性のために航空機は以下のような被害を被る(小野寺1995)。
1)エンジンの推力低下、停止:ジェットエンジン内部で溶融した火山灰粒子がノズルなどに付着・固結して空気や燃料ガスの流れを乱し、最悪の場合には機能停止
2)視界不良による航行困難:操縦席窓ガラスが破損または擦りガラス状になる
3)速度の誤指示による航行支障:速度測定用ピトー管が目詰まり
4)電子機器や空調機器の機能障害、機内汚染:火山灰、火山ガスにより汚染
5)燃料、潤滑油の汚染:同上
6)機体表面の損傷、腐食:同上
7)長期的な影響:火山性エーロゾル層により窓ガラスや機体が損傷、腐食
 なお、空港への降灰は滑走路の降灰除去が大きな負担となる。空港への大量の降灰は、駐機中の航空機の破壊、滑走路の閉鎖、空港施設の被害をもたらし、空港の一時閉鎖、さらに、ピナツボやラバウルの噴火の場合には軍事基地の閉鎖や国際空港の放棄に至っている。

*10 小野寺三朗:防災―航空機災害,火災の事典,朝倉書店,p.382-p392.1997.