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3 火山噴出物による直接的災害

航空機の火山災害-(1) 空中の火山災害

 航空機の性能向上に伴い、機体の大型化や国際線の長距離飛行化が進むとともに便数が著しく増大し、今や世界中で多数の乗客を乗せた旅客機が常時飛行している。反面、太平洋の場合のように主な国際線ルートが日本を含む環太平洋火山帯上にあることから、約1万メートルの高度を飛行する旅客機が大規模な火山噴火で上昇・拡散した噴煙と遭遇する事例が増大してきた。
 1982年のガルングン火山(インドネシア)の噴火では、高度約1万1千メートルを航行中のジャンボジェット機が噴煙と遭遇して全エンジンが停止し、約7千5百メートルも降下するという危機的な事態に至った。噴煙に含まれる火山灰粒子がエンジン内部の高熱で溶けたあとガラス化し、ノズルなどの目詰まりを引き起こしたためである。幸い、降下中に2基のエンジンが始動して緊急着陸に成功し、墜落という最悪の事態には至らなかったものの、火山噴火が航空機の航行安全にとって重大な脅威であることを強く認識させた事件である。
 全エンジンの停止という重大事態はこれまで3件生じているが、航行中の航空機が火山灰によって機体やエンジンの損傷を受けたり、窓ガラスの損傷により視界不良になるなどの航行安全に関わる事態をはじめ、主要部品の交換などの被害を受けた事例が、外国では20件以上報告されている。国内線の場合も、活火山に近い空港で噴煙遭遇による被害が出ており、日本では桜島、雲仙岳、浅間山、伊豆大島、有珠山の噴火の際に火山灰粒子による操縦席窓ガラスの損傷が21件生じており、特に桜島に集中している(小野寺1995) 。

*10 小野寺三朗:防災―航空機災害,火災の事典,朝倉書店,p.382-p392.1997.