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3 火山噴出物による直接的災害

火山ガスとその危険性

 日本には86の活火山がある。多くの火山では活動火口だけでなく山腹や山麓にも噴気活動が見られ、火山ガスが放出されている。火山ガスに含まれる成分は、一般的に水が最も多く体積に換算すると90%以上含まれている。残りのガス成分はフッ化水素(HF)、塩化水素(HC1)、二酸化イオウ(SO2)、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)、水素(H2)、メタン(CH4)、アルゴン(Ar)などである。これらの成分の割合はガスの温度(火山の活動度)などによって異なる。水を除いたガス成分では、温度の高い火山ガスの場合にはHF、HC1、SO2などが多く含まれ、温度が低い火山ガスではこれら成分の割合は少なく、H2SやCO2が主成分となる。
 火山ガス成分のうちHF、HC1、SO2、H2S、CO2などは有毒で、時として死に至るガス災害をもたらす。その危険性は図1.3.19に示したように成分によって異なる。HC1やSO2は数十ppmの濃度で咳き込みや喉や目が痛み、1,000ppmでは死に至る。H2Sも数百ppm〜1,000ppmで死に至る。これらガス成分による作業環境許容濃度(日本産業衛生学会基準)はそれぞれ5ppm、5ppm、10ppmである。これらガス成分に比べればCO2の危険濃度は2桁〜3桁高い。CO2は5%の濃度で呼吸が速くなったり、頭痛の症状が現れ、10%の濃度では数分〜15分で昏睡状態に陥り、15〜20%の濃度では数呼吸で昏睡状態になる。また濃度が30〜40%に達すると即死するとも言われている。これまでに10%のCO2濃度で1分、9%の濃度で5分で死亡したとの報告がある。
図1.3.19 塩化水素,二酸化イオウ,硫化水素ガスの危険性