防災展示場
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3 火山噴出物による直接的災害

火山体の崩壊による被害

 火山災害のうちで、大きな災害となるものに火山体の崩壊がある。1888年(明治21年)磐梯山の噴火はその例である。M(マグニチュード)3〜4程度の地震が1週間ほど続いた後、M5クラスの地震が発生した。それまでに崩れやすくなっていた山体は、この地震に誘発されて崩壊し、さらに噴火のエネルギーを押さえていた山体がなくなったため爆発した。
 この崩壊で生産された岩屑は岩屑なだれとなって山麓の数村を埋積し死者444人を出す大災害となった。現在の桧原湖、小野川湖、秋元湖はこの岩屑なだれ堆積物によるせき止め湖である。
 1980年アメリカのセントヘレンズ山噴火の場合には崩壊−噴火の連続写真など良質の観察記録が得られ、この現象についての理解が深まった(図1.3.12)。
 日本における山体崩壊の例としては、1640年(寛永17年)北海道駒ヶ岳、1741年(寛保元年)渡島大島、1792年(寛政4年)島原眉山などが挙げられる。
 図1.3.12はセントヘレンズ火山(アメリカ・ワシントン州)1980年5月18日の山体崩壊とそれに続くマグマ噴火で図中の番号は時間的順序を示している。
 火山は成長速度が速いので、動的に不安定な急斜面をつくりやすい。その斜面はやがて大規模な山体崩壊を起こす。実際日本の大型の成層火山の裾野には過去の山体崩壊による堆積物であることを示す流れ山地形がある。たとえば岩木山、岩手山、那須岳、八ヶ岳、富士山などであり、富士山の最も新しい山体崩壊は約2500年前(御殿場付近の流れ山)である。
図1.3.12 セントヘレンズ山崩壊前後の地形断面