防災展示場
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3 火山噴出物による直接的災害

火砕サージ

 マグマと水が接触して起こるマグマ−水蒸気爆発の際、上空へ噴き上がる噴煙柱の基部に、環状に広がる高速で横なぐりの噴煙が生じる。この現象は原爆の“きのこ雲”の基部に生じる噴煙「ベースサージ」という言葉で呼ばれていた。最近ベースサージ以外のサージがあることがわかり、全体を火砕サージと呼ぶ。これは広い意味で火砕流に含まれる。狭義の火砕流に比べ気体に富む流れであるが、高速であるため人間の避難は困難である。1965年、フィリピンのタール火山噴火では、ベースサージが周囲数kmに広がり、150人の死者を出した。雲仙火山1990年〜1995年(平成2年〜7年)の噴火では火砕流に伴って高温の火砕サージが発生した。43名の犠牲者を出した91年6月3日の火砕流をはじめ、何回もの集落の焼失は主に火砕サージによっている。この他、伊豆新島の886年噴火など表1.3.4に示したように、日本各地で各種火砕サージの堆積物が発見されている。
 表1.3.4によるとベースサージは岩質にかかわりなく、海水、湖水、地下水などの水が充分に存在する場所において発生している。周囲を海に囲まれる火山島では、特に発生の可能性が高い。
表1.3.4 日本各地の火砕サージ堆積物

*6 横山勝三:火砕流とその災害,地理,26,1981

図1.3.11 雲仙の火砕サージの分布図