防災展示場
消防防災GIS
災害写真データベース

5 避難に関する基礎知識

2.的確な避難のために考慮すべき事項

住民への情報伝達 (メディアミックス)

 東大社会情報研究所那須町アンケート調査によれば、平成10年8月末北関東・南東北豪雨災害の際、調査対象者(450名)のうち町長からの避難勧告を「聞いた」という人の割合は35.3%に過ぎなかった *44)。避難の勧告・指示等に基づき住民が避難行動をとるためには、まず、避難の対象となる住民に確実に情報が伝わる必要がある。
 さらに、ある情報源から情報を得た人々は、テレビやラジオの視聴、市役所等への問い合わせ、近隣の人々への確認など他の情報源から裏付けとなる情報を得ようとする(情報確認・探索行動)ことが知られており *45)、このような行動パターンに適合した情報伝達が必要である。
 人々に避難勧告等の情報を確実に伝達し、かつ、人々の適切な情報確認・探索行動を促すため、市町村等の防災関係機関が避難の勧告・指示等の情報を伝達するにあたっては、市町村防災行政無線(同報系)、サイレン、放送局への放送要請、広報車等多様な手段を組み合わせて伝達することが求められる(メディアミックス)。たとえサイレンの意味が理解できない場合でも、人々に注意を喚起し情報確認・探索行動を促すことができる。広島市では、平成11年の豪雨災害を踏まえ、図2.5.24に示す情報伝達体制を整備している。
図2.5.24 広島市の気象情報等の伝達体制

*46 広島市消防局防災部;「情報収集と住民への伝達―平成11年6月29日豪雨災害の教訓―」,「消防科学と情報」No.62,(財)消防防災科学センター,2000.秋

*44 福田充,中森広道,廣井脩,森康俊,馬越直子,紙田毅;「平成10年8月那須集中豪雨災害における災害情報と住民の避難行動」,「東京大学社会情報研究所調査研究紀要」No.14,p216,東京大学社会情報研究所,2000

*45 三上俊治;「災害警報の社会過程」,「災害と人間行動」,p90−91,東京大学新聞研究所編,1982