防災展示場
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2 風水害の種類別の基礎知識

4.風害

「ビル風」による被害−2

 たとえば、高層ビルの足元周辺で風速が増加し(図2.2.31)、歩行者の通行に支障をおこすビル風はその典型である。また、風の流れが収束し風速が増加する場合もあるが、この変化は周囲の建物の形状や配置、地形の影響などを複雑に受けて変化する。したがって、この変化を予想する場合、過去の観測・実験結果などは種々の条件が同一でないので、参考程度にしかならない場合が多く、新しい条件での気流性状を風洞実験(図2.2.32)や数値計算などにより評価することになる。
 問題となるのは、強風の発生頻度や風速が建設後に増加すると予想される場合である。このとき、歩行者障害、他の建物などへの強風被害、風による騒音などの問題が発生する可能性が大きくなるので、それらに対する対策を検討しておかねばならない。もちろん、現時点で用いることのできる予測手法は万能ではないので、予測結果が大丈夫であっても、実際に問題が起こることがあることも承知しておかねばならない。
図2.2.31 建物周辺の風速増加域
表面が滑らかな直方体建物について、周辺の建物等の影響を除いた場合の風速の増加率を示す。数字は当該建物がない場合の風速に対する増加率。

*23 亀井勇;「中高層建築物相互間内の強風区域」,「日本建築学会大会学術講演梗概集」,1974

図2.2.32 風洞実験の例
風洞の中に模型をおいて建物周辺の風速分布を調べる。模型の風上側には市街地模型等を設置し、実際の地面上を吹く風を模擬する。