防災展示場
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2 風水害の種類別の基礎知識

4.風害

「ビル風」による被害−1

 新しい建物などの建設によって周囲の風の流れ方が変わると、それまであまり風が吹かなかった場所で風が頻繁に吹くようになったり、強く吹くようになったりすることがある。これは建物自体の耐風設計だけでなく、周辺の風環境に対する配慮が必要になることを意味しており、周囲に風による被害が起こらないように、計画を立て設計を行わねばならない。通常、建物の規模が大きいほど気流性状が変化する範囲も広くなり、高い建物ほど上空の風の影響を受けやすくなる。このとき、高度が高いほうが平均的な風速は早いので、それが地上へ向かうようになると風速が増加する(図2.2.29、図2.2.30)。
図2.2.29 建物周りの風の吹き方
上空を吹く風は、通常高度が高いほうが風速は早い。建物周りで風は複雑な流れ方を示し、建物の端で剥離したり、上空の風が下に向かって吹き下ろしたりする。このため、建物の足下付近に風速の増加域が生じる場合がある。
図2.2.30 風洞実験によるビル周辺の流れの可視化
流れは左から右に向かって吹いている。風下の高層ビルとその前の低層ビルの間に渦が形成されている。また、高層ビルに遮られて上方の流れが下に向かって流れ込んでいるのがわかる。

*22 Simiu・Scanlan,:Wind effect on structure,3rd edition,Wily Interscience