防災展示場
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2 風水害の種類別の基礎知識

4.風害

竜巻による被害

 竜巻は、大気中に発生する、鉛直軸を持つ激しい渦であり、対流性の雲(積雲や積乱雲など)の下に形成される。漏斗状または円筒状の雲を伴うことが多い。竜巻は地球上で年間約1,000個発生するといわれている。日本では年平均16.8個(1961-1992年の31年間の平均)が発生する *20)。図2.2.27には31年間の竜巻の発生場所を示すが、一般に、関東以南の太平洋沿岸、日本海沿岸の一部でその発生が多い。竜巻の発生する時の気象状況を調べてみると、台風の接近時が約25%、低気圧及び前線通過時が57%である。
 竜巻の被害範囲の統計を取ってみると、被害長さが3.2kmで被害幅が119mである。実際の被害例(串本1988)は図2.2.28に示すとおり、竜巻の進行方向にほぼ直線上に被害が発生する *21)。また、竜巻の経路上すべてに被害が発生しているわけではなく、とびとびに発生する。これが竜巻の強風による被害の特徴である。竜巻の階級分けをするのに、藤田スケールがあり、被害の程度から風速を推定し、F1−10の階級があるが、実際に日本で発生する竜巻はF4(風速93-116m/s)までである。
 最近10年間に発生した竜巻で、台風の接近時には1999年9月の愛知県豊橋市で発生したもの、低気圧の通過時には1988年9月の和歌山県串本町、1990年12月の茂原市で発生したものが、顕著な例としてあげられる。
図2.2.27 日本における竜巻発生場所の分布(1961−1992年)

*20 林 泰一,光田 寧,岩田 徹:「日本における竜巻の統計的性質」,「京都大学防災研究所年報」,p57−66,京都大学防災研究所,1994.

図2.2.28 1988年9月25日の和歌山県串本町で発生した竜巻の被害分布
南西から南東に向けて長さ20kmにわたる直線上に被害が分布している。被害はとびとびに発生していることがわかる。

*21 林 泰一:「1988年9月25日に串本町で発生した竜巻について」,「京都大学防災研究所年報」,p439−452,京都大学防災研究所,1988.

*20 林 泰一,光田 寧,岩田 徹:「日本における竜巻の統計的性質」,「京都大学防災研究所年報」,p57−66,京都大学防災研究所,1994.

*21 林 泰一:「1988年9月25日に串本町で発生した竜巻について」,「京都大学防災研究所年報」,p439−452,京都大学防災研究所,1988.