防災展示場
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2 風水害の種類別の基礎知識

4.風害

強風災害-1

 日本における強風はその大部分が台風に伴うものである。強風による構造物の被害をみると、振動や騒音による被害、外装材の被害(表2.2.3に部位別の特徴をまとめてある)、さらに全体が倒壊してしまうような被害があるが、充分な耐風設計を行った構造物については台風による致命的な被害はほとんど報告されていない。
 例外として、建設中に骨組だけの状態で、防音や安全対策のために建物を覆ったネットやシートが加わった風圧力により倒壊する例や、ゴルフ場で事前にネットを下げなかったために倒壊する例があるが、いずれも管理上の問題である。また、一般の住宅では昔に比べると同じ風速で全壊する割合は著しく低下しており、住宅が風に対して強くなっているのは事実である(図2.2.20)。
 しかしながら、台風による被害は広範囲におよび、被害額が少なくなっているわけではない。たとえば、台風9119号における強風災害では、保険金の支払額が約5,000億円と台風災害としては過去最大のものとなっている。
 ほとんどの家屋では最大瞬間風速が60m/sを超えると何らかの被害が生じる。また、日本瓦では最大瞬間風速が30m/sを超えると飛散し始めるなど、外装材の飛散(図2.2.21)による二次的な災害の確率も風速にともなって大きくなる。
図2.2.20 建物の全壊率の年代変化
現代に近づくほど同じ風速に対する全壊率の割合が小さくなっている。

*17 研究代表者光田寧;「1991年台風19号による強風災害の研究」,「平成3年度文部省科学研究費突発災害調査研究成果報告」,1992

*18 研究代表者桂順治;「台風9918号に伴う高潮と竜巻の発生・発達と被害発生メカニズムに関する調査研究」,「平成11年度科学研究費補助金(特別研究促進費)研究成果報告書」,2000

表2.2.3 建物における外装材の強風被害