防災展示場
消防防災GIS
災害写真データベース

2 風水害の種類別の基礎知識

2.高潮害

高潮と地盤沈下

 わが国では、昭和10(1935)年頃から良質な工業用水を地下水に求めた結果、地盤の圧密沈下が発生し、地下水規制が施行された昭和50年代まで進行した。その結果、東京の江東地区で累積沈下量が4.5mに達したほか、大阪の港区で2.2.8mなど、沖積平野に位置する大都市で海抜ゼロメートル地帯が拡大した。図2.2.8は、昭和9(1934)年の室戸台風高潮と昭和25(1950)年のジェーン台風高潮の大阪市内の浸水域を比較したものである。表2.2.2に示したように、後者のほうが最高潮位が約40cm低かったにもかかわらず、浸水面積は地盤沈下の影響のために、逆に49km2から56km2へ、7km2も拡大していることが見出される。
 このように高潮氾濫が起こった場合、地盤沈下した地域では浸水面積と浸水深の増大が起こる。とくに、東京、大阪、名古屋の既往高潮浸水域では、近年地下空間の利用が進んでおり、鉄道、ショッピングセンター、連絡通路、駐車場が大規模に展開している。また、地下階を有するビルも多数存在しており、地下空間の浸水・水没対策という新たな課題が浮上している。
図2.2.8 室戸台風高潮(1934年)とジェーン台風(1950年)による浸水域の比較