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2 風水害の種類別の基礎知識

1.洪水害

洪水の原因

 河川や湖沼の水位が高いときに、水が河川や湖沼から氾濫した結果起こる災害、あるいは流域に降った雨水を河川に排水できないために雨水が堤防の内側に滞留して発生する災害を洪水災害と呼ぶ。
 河川の中を流れる水を外水、堤防で守られた方に滞留する水を内水といい、外水が溢れだしたり(溢水)、堤防が切れたり(破堤)しておこる氾濫を外水氾濫、内水が排水されないことによる氾濫を内水氾濫と呼ぶ。
 洪水の原因としては、台風性の豪雨、梅雨末期などに狭い地域に集中して降る豪雨、積雪があるときに気温上昇や降雨、火山噴火などによって引き起こされる融雪、地震などによる人工または天然のダムの決壊などが主要なものとしてあげられる。
 台風の目の周りには非常に発達した渦状の雨雲が取り巻き、猛烈な暴風雨をもたらす。日本付近に前線が停滞しているときには、台風が南方にあって離れていても前線の活動が活発になり、大雨になることもある。また、台風によって吹き込む風が地形の起伏によって強制的に上昇させられるために発生する地形性の降雨も台風による大雨の原因となる。
 集中豪雨は、いろいろな原因が重なって発生する。基本的には多量の水蒸気が次々と補給される大気の流れがあって、それが雨に変わるような上昇気流が持続し、停滞することによって発生する。台風に比べれば距離のスケールが小さいので従来は現象を捉えるのが容易でなかったが、気象衛星やレーダーなどの面的な降雨観測システムによって、降雨状況をただちに捉えることができるようになってきた。
 どのような場合に洪水による被害が大きくなるかは、洪水の大きさとともに、洪水が起きるときの流域の状況、どれだけ危険が予測されていたかなどにも大きく依存して決まる。
 図2.2.1は、洪水害の要因を体系化したものである。
図2.2.1 洪水災害の要因の体系化

*5 中野尊正;「洪水災害危険度の評価モデルの考え方」,p139,「洪水災害危険評価法に関する研究(文部省科学研究費)」,1982,を改変