防災展示場
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3 観測と地震予知

量的津波予報-1

1 津波予報の課題
 現在の津波予報は、過去に発生した津波の事例に基づいて、地震のマグニチュードと震源の位置から海岸における津波の高さを経験的に求めるものであるため、定量的に津波の高さを予想することは困難である。また、津波予報を発表する単位である区域(津波予報区)は、全国の沿岸を18に区分した広い範囲を一予報区としていることから、実際には津波の影響範囲が狭い場合でも、予報区全域の広い範囲に対して同一の津波予報を発表することとなる。このため、防災関係者の負担が大きくなったり、逆に、沿岸の住民にとって切実な警戒感が十分得られない場合があることが指摘されている。これらのことから、避難、水防等の津波対策が的確に実施できるような、よりきめ細かく的確な津波予報の提供が求められている。
2 数値シミュレーション技術の導入-1
 地震の際の断層運動によって引き起こされた海底の地殻変動が、海面の変動をもたらし、これが波として周囲に伝播するのが津波である。この津波現象を、適当な地震断層モデルを仮定し、数値計算によって再現する技術(数値シミュレーション技術)が開発されているが、この津波の数値シミュレーションは、膨大な計算時間を必要とするため、迅速性が求められる津波予報にそのまま導入することは困難であった。
 このため気象庁では、1)日本周辺海域の様々な場所において想定した様々な規模の地震断層モデルについて、あらかじめ津波の数値シミュレーションを実施し、その結果をデータベース化しておく、2)地震が発生した際には、データベースから該当する地震の計算結果を検索し、各地域の津波の高さ等を推定する、という津波予報技術を導入する準備を進めている。
図1.3.19 平成6年(1994年)北海道東方沖地震を例とした数値シミュレーションによる津波の伝播