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2 地震と地震災害

強震動予測-1

 地震の発生を事前に予測することにより被害を軽減しようとするのが地震予知ならば、強震動予測は地震断層によって生じる地震動を適切に評価してそれに備えることで被害を軽減しようとするものである。強震動予測手法には様々なものがある。以下に代表的なものを2つ挙げる。
・経験式に基づく方法
 一般に地震動のレベル(例えば地動加速度や地動速度の最大値、震動など)は震源からの距離とともに小さくなっていく。これまでに蓄積された様々な規模の地震を様々な距離で観測した記録に基づいて、ある地震の規模(気象庁マグニチュードが一般的)に対して、その震源からの距離とともに地震動のレベルがどのように変化していくかという式(=距離減衰式)が様々な形で提案されている。図1.2.11は、1995年兵庫県南部地震の時に各地で観測された最大地動加速度と距離減衰式とを、事後に(従ってマグニチュードはわかっている)照らし合わせたものである。距離減衰式は経験則であるから、予測されるレベルはある広がりをもったものになる。図1.2.11では、この広がりは点線で挟まれた範囲であり、観測値はほぼこの範囲に収まっている。このように、距離減衰式は、少ないパラメータから安定で信頼性のある地震動レベルを与えるくれるという利点がある。一方、経験に基づいているが故に、これまでに多くのデータが蓄積されていない震源断層近傍での予測精度が悪くなるおそれがある。
図1.2.11 1995年兵庫県南部地震の際に、各地で観測された水平動成分の最大地動加速度(四角形)と距離減衰式(実線)とを、事後に(従ってマグニチュードはわかっている)照らし合わせたもの *22)
横軸の距離は断層面からの最短距離である。点線は距離減衰式による予測値の幅を表している。