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2 地震と地震災害

1995年兵庫県南部地震による神戸市域での地震動-2

 兵庫県南部地震によって引き起こされた被害分布で、とりわけ注目を集めたのは、神戸市を中心として現れた“震災の帯”と呼ばれるものである。この地域は地震後の気象庁の被害調査により、家屋の倒壊率が30%以上であることから震度7(ここでの、“震度7”は地震当時のもの。現在の気象庁震度階は1996年10月に改訂されたものである。)と判定された所である(図1.2.10参照)。この“震災の帯”の特徴は以下の2点にまとめられる。
1)2km程度の狭い幅で、長さ20kmに及ぶ細長い分布である。
2)六甲山と堆積盆地の境界から数百m離れている。
 この“震災の帯”の生成要因として、しばしば社会的条件の影響がとりざたされる。これは、長田区や東灘区のような木造家屋密集地域の被害分布を説明するには説得力をもつが、それ以外の地域の被害分布の説明をするには、社会的条件だけでは難しいことから、被害分布に対応した強震動域が出現したという意見が強い。この強震動域の生成については、地震直後、震災の帯の地下に隠れた震源断層が存在しているという“伏在断層説”が唱えられた。しかし、その後の余震分布や地殻変動データの検討により、震源断層は“震災の帯”の直下にはなく、その北側を通っていることがわかったため、この説は強く主張されなくなった。帯状の強震動域の生成メカニズムは、今なお盛んに議論されているが、それらの議論のうち代表的なものは、
1)震動断層での破壊の進行とその結果として生ずる指向性の効果及び堆積層の地震波速度の遅さの効果を強調するもの。
2) 厚い堆積層により増幅された地震波と堆積層と山地(六甲山地)との境界で発生した2次的な地震波がある特定の幅で増幅的に干渉するという現象を強調するもの。
(→表層地質が地震動に与える影響-1、→表層地質が地震動に与える影響-2)
の2つである。いずれにせよ、帯状に強震動域が生成されることは、最近の地震学の発展の中で獲得された知識によって説明可能なものである。
図1.2.10 1995年兵庫県南部地震による震度7の分布(気象庁による) *21)