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2 地震と地震災害

表層地質が地震動に与える影響-2

 表層地質が地震動に及ぼす影響として、もう1つ重要なものの例として図1.2.8を挙げる。この図の比較に見られる大きな違いは、山地での地震動は、直達S波到着の後すぐに収まってしまっているのに対し、堆積層上では直達S波なみか、あるいは時によってはそれより大きな地震動が、だらだらと継続していることである。この震動は、堆積盆地に地震波が入射したときに、盆地端部の堆積層と山地の境界付近で、横方向に伝わる地震波が2次的に発生することにより、主としてもたらされるものである。このような2次的な地震波の発生のしかたは、堆積盆地がどのような構造(堆積層の厚さとその地震波伝播速度の分布、堆積層の下にある岩磐の地震波伝播速度、盆地の大きさ・形状など)をしており、そこにどのような地震波が入射するかによって様々である。
表1.2.1 図1.2.7の計算のために仮定した堆積層構造 
ケース1は岩盤まで厚い堆積層をモデル化したもの。ケース2はS波速度が680m/sの層までの地表付近の堆積層をモデル化したもの。仮定した2つの堆積層構造では、1層目が共通になっている。
図1.2.7 表1.2.1のような2種類の架空の堆積層構造(ケース1とケース2)に、S波が真下から入射した場合、最も深いところにある層境界と比べて地表ではどれだけ地震波が増幅されるかを計算により求めたもの 
図1.2.8 大阪平野において、周辺を囲む山地での地震記録(南北成分の地動速度波形)と堆積層上の地点でのそれを比較したもの *18)
“S波”という文字で示した部分は、震源から直接観測点に到達したS波(直達S波)である