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2 地震と地震災害

地盤の液状化と噴砂・噴泥

 砂地盤の液状化が注目され本格的に研究され始めたのは、1964年新潟地震以降である。この地震では、鉄筋コンクリート建物の転倒、新設橋梁の落下、岸壁の水没など各種構造物の破局的被害が続出した。これらの被害原因は地盤が液状化して支持力を失い土圧を急増させたためであることが、調査で解明された。
 水で飽和したゆる詰めの砂地盤は、地震で揺れると体積を減少して密に詰まろうとするが、水は体積変化しにくいため間隙水圧を上昇させてこれに抵抗する。その結果、砂の粒子間に働く力(有効応力)が失われて、砂は液体のように流動するので液状化と呼ばれる。
 砂地盤が液状化すると、上昇した間隙水圧によって地下水が砂や泥と一緒に地表へ噴出する現象、すなわち噴砂・噴泥が生じることが多い。新潟地震では、噴砂は30分間以上続き、地下水が2mも噴き上げ、噴砂孔の周囲に砂が1m以上堆積した。1983年(昭和58)日本海中部地震では、津軽平野の車力村に直径8m、深さ1.5mの巨大な噴砂孔が出現した(図1.2.21参照)。
 地盤の液状化危険度は、地盤条件と地震動強さによって定まる。原位置から採取した乱さな土質試料を用いて室内液状化試験を行えば液状化危険度は正確に判定できるが、ボーリング調査時に実施する標準貫入試験のN値や粒度試験結果などを用いる簡易判定手法もある。簡易手法では、従来、平均粒径が2km以上大きい沖積地盤は液状化しにくいと考えられていたが、1995年(平成7)阪神・淡路大震災で、まさ土の埋め立て地盤が広範囲で液状化したため、判定基準の見直しが行われた。
図1.2.19 液状化の模式図 *29)
図1.2.20 液状化による木造家屋の被害 *29)
図1.2.21 1983年(昭和58)日本海中部地震で出現した車力村での噴砂孔(陶野郁雄氏提供) 
図1.2.22 1995年(平成7)兵庫県南部地震による貯油タンク基礎地盤の液状化被害