防災展示場
消防防災GIS
災害写真データベース

2 地震と地震災害

山崩れ、土石流、山津波

 地震による大規模な山崩れや土石流の記録は、各地に残されている。1847年の善光寺地震による虚空蔵山の山崩れは、犀川に100mもの厚さで堆積し河川水が湛水して天然ダム(震生湖)となったが、その2週間後に降った大雨で決壊し、下流の善光寺平では100人余りの死者が出た。1984年(昭和59)長野県西部地震(M6.8)では、木曽御嶽山で体積約3600万m3の大規模な山崩れが 発生した。崩れた土砂は、伝上川の両岸を削りつつ標高差約1400m、距離約10kmを流下し 、延長約3kmにわたって最大50mの厚さで堆積した。この崩土(岩屑流)の流下速度は、目撃者の証言などから時速80km程度と推定されている。堆積土砂でせき止められた王滝川には、延長約2.5kmの天然ダムが誕生した。また、河道に堆積した土砂の先端は、水を多量 に含む土石流(泥流)となって下流を襲った。
 地震で広範囲の山腹が崩落し、土砂や水が下流に押し寄せてくる現象は山津波とも呼ばれる。その例として、1923年(大正12)関東地震での根府川山津波がよく知られている。この山津波は秒速20mを越す速度で流下して白糸川橋梁の橋脚を流失させ、根府川の村落を襲って80戸650人中、60戸293人を海中に押し流した。これとは別に、根府川駅付近で起きた山崩れは、列車を土砂とともに相模湾に押し流し乗客ら111人を死亡させた。
 山地での土砂災害防止対策としては、ハードな対策とソフトな対策がある。前者は山腹の崩壊や土石流を防止するための治山工事や砂防工事であり、後者は異常の予測と警報、避難などが主な内容である。
図1.2.18 1984年(昭和59)長野県西部地震により誕生した天然ダム(王滝川 柳ケ瀬)