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1 地震の発生

地震断層

 地震断層は大地震時に断層のずれが地表に出現するものである(図1.1.10)。地震断層の多くは地下の震源断層のずれが直接地表まで達したものと考えられる(図1.1.11)。これは多くの地震断層の出現位置が大地震の震源域の中にあり、断層長も長く、かつそのずれのセンスや量が発震機構から推定される震源断層の動きと一致していること、また、既存の断層地形に沿って同じずれのセンスで出現していることなどから支持される。規模の小さい地震では震源断層の破断面が地表にまで延びず、地震断層は現れない。過去の日本の地震断層の出現例からみると、震源の浅い内陸地震ではM6.5で地震断層が出現し始め、M>7.0の地震ではほとんどの場合地震断層が出現する。また、主断層の周辺では局所的な応力変化や地震の強震動によって、震源断層とは無関係に地表に断層変位が生じることがある。このような副次的な断層も地震断層と呼んでいる。1923年関東地震ではこのような副断層が房総半島や三浦半島などに現れた。
 断層は地辷りによる地表付近の破断面や圧密による地表のずれとは異なり、地下深部からの破断面に沿って断層の両側の岩石・地層がずれているものを言う。しかし、実際には大規模な地辷りなどの場合、辷り面が地下のやや深いところまで延びているため、両者の区別は困難なことが多い。1995年兵庫県南部地震の際、淡路島には地震断層が出現したが、神戸では地震学的には地下に震源断層が延びていると考えられるのに、地表に明瞭な地震断層は出現しなかった。しかし、直線状に延びる地割れ群などが認められたが、これらは地辷りによるものと考えられる。
図1.1.10 1891年(明治24年)濃尾地震で岐阜県揖斐郡根尾村水鳥(みどり)に生じた断層 
平坦だった根尾川河床が上下方向に6m、左横ずれに4m食い違った。この断層崖は天然記念物に指定され、村ではこの断層を掘削してその断面を観察できる断層博物館を開設した。
図1.1.11 地震断層と震源断層、副断層の関係 *5)
図1.1.12 明治以降日本に出現した地震断層 *5)
この中には震源断層の地表への延長ではない副次的な断層の出現も含まれている