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巻頭随想 危険物施設と津波災害

横浜国立大学 客員教授 亀 井 浅 道

1.はじめに

 3月11日の東日本大震災においては危険物施設も地震と津波による被害を受けた。危険物施設は地震についてはこれまでも何度も洗礼を受けてきたが、今回のような津波による大被害は我が国においては例を見ないものである。国外の津波による危険物施設の最近の被害としては2004年12月26日に発生したスマトラ島沖地震に伴うインド洋大津波による事故が思い出される。この津波では石油貯蔵施設が破損し、タンクが漂流している。
 消防庁においては、この度の震災に先立つ平成21年に「危険物施設の津波・浸水対策に関する調査検討会」を設け、危険物施設に及ぼす津波の影響と対策をまとめている。さらに、東日本大震災後には「東日本大震災を踏まえた危険物施設等の地震・津波対策のあり方に係る検討会」を設け、被害の全容を調査し、対策を検討している。筆者はこれらの検討会に参加させていただいたこともあり、危険物施設の津波対策のあり方について述べてみたい。

2.被害の特徴

 この地震による危険物施設の地震と津波を合わせた被災率は岩手県で1.4%、宮城県で3.5%である。これらの県下沿岸部市町村ではそれぞれ26.6%、および22.7%となっている。地震は震度自体も大きいものでありそれに応じた被害が発生しているが、これをはるかに上回る被害が津波により発生していることが窺える。危険物施設の被害は地震によるものと津波によるものと判別できないものもあるが、津波によるとされるものは1,821施設にのぼる。
 危険物施設は製造所、貯蔵所、取扱所に大別される。貯蔵所はタンクを用いて多量に貯蔵するところと多数の小容量容器に貯蔵するところに分かれる。それぞれ屋外と屋内のタイプがある。いわゆる石油タンクは屋外タンク貯蔵所である。地下タンクやタンクローリーも貯蔵所に区分される。また、取扱所には給油取扱所(ガソリンスタンドなど)、販売取扱所(容器に入れた状態で販売)、移送取扱所(パイプラインなど配管設備)と、その他の取扱所(一般取扱所と呼ばれる)がある。このように、危険物施設は多様であり被害の様相も異なるが、地上に存在するほとんどの施設は被害を受けている。主たる被害は施設の破損とこれに伴う危険物の流出である。火災、土砂や瓦礫の堆積被害も報告されている。
 津波を原因とする危険物の流出事故は106施設で発生している。このうち、屋外タンク貯蔵所におけるものが全体の87%(92施設)を占めている。設置位置から押し流されたタンクもある(80基)。屋外タンク貯蔵所では付属配管、防油堤、基礎など地上の施設の被害も目立つ。
 津波を原因とする火災は36件発生している。この36件はすべて同一の製油所におけるものである。内訳は、移動タンク貯蔵所が大半(28件)である。ほかには屋外タンク貯蔵所(1件)、一般取扱所(7件)となっている。原因は配管の破断部もしくは貯蔵タンクの破損部から危険物が漏洩し、石油出荷場付近で横転した車両のバッテリーに起因する電気的要因が関与したか、もしくはガス出荷場付近での衝撃火花が引火したものと推定されている(消防研究センター1))。

3.対策の考え方

 はじめに、国の中央防災会議の津波対策の考え方2)を見てみよう。
 中央防災会議は、まず、東日本大震災においてM9.0の巨大地震の発生を想定できなかったことから、今後、地震学、地質学、考古学、歴史学等を統合的に研究し、「あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大地震・津波を検討」することとし、その際、「想定地震・津波に基づき必要となる施設設備が現実的に困難となることが見込まれる場合であっても、ためらうことなく想定地震・津波を設定する必要がある。」としている。津波対策の構築に際して2つのレベルを想定することを提案している。一つは「発生頻度は極めて低いものの、甚大な被害をもたらす最大クラスの津波」、二つは「発生頻度は高く、津波高は低いものの大きな被害をもたらす津波」である。(仮に前者を最大クラス津波、後者を高頻度津波と呼んでおく)。最大クラス津波に対しては「住民等の生命を守ることを最優先とし、住民の避難を軸に、とりうる手段を尽くした総合的な津波対策を確立」することとし、高頻度津波に対しては「人命保護に加え、住民財産の保護、地域の経済活動の安定化、効率的な生産拠点の確保の観点から、海岸保全施設等を整備」することとしている。
 海岸線保全によりあらゆる施設を最大クラス津波から守るという策は、技術的対応の難しさに加えて構築に係る費用、地域活動の利便性等を考慮すると最善の選択とはならない。すなわち、最大クラス津波に対しては被害抑止策ではなく被害軽減策ということになる。
 ところで、被害抑止策として海岸線保全設備を構築する際の想定津波(高頻度津波の上限)はどのように決められるのだろうか。上述の論旨から考えれば襲来周期や海岸線保全構築に係る費用や地域を守る意義などを総合的に吟味して決められることになるのであろう。
 危険物施設も地域社会を構成する施設の一つであり、津波から護られなければならない。危険物施設には流出油防止堤、防油堤等が設けられており、津波被害の軽減に一定の効果が期待されるものの、本来的には海岸線保全設備の守備範囲内におかれるべきものである。
 危険物施設の管理者は、万一、津波により被災し貯油が流出した場合、地域にどのような弊害を及ぼす可能性があるかという視点からの検討をしておく必要がある。 (今回の震災において、津波直後に発生した火災について調査がなされている3)が、危険物施設から流出した危険物の関与があったか否かはいまのところ結論は出ていないようである。)
 津波が発生する状況においては従業員等の避難は大原則であるが、避難に際しては異常反応等による火災など二次災害を抑制する措置を講じる必要がある。また、配管の破損に伴うタンクからの危険物の大量流出を防ぐために、タンク元弁を閉止する必要がある。このような緊急時の措置は装置の特性と発生の季節、天候、時間帯などを考慮して予め決めておくべきことである。

4.むすび

 大震災が「忘れないうち」にやってきた。これからも、「震災は日本中どこに起きてもおかしくはない」というニュースに心穏やかではいられない。「備えあれば憂いなし」、と安心できるほどの「備え」は一朝一夕にできるものではない。それぞれの立場で、できることから始めるしかない。
 いま南海トラフの巨大地震が懸念されている。被害想定を行うためには、きめの細かいデータが必要となる。中央防災会議はこの地震による最大クラスの津波高を推算した。結果を各県版の津波高分布地図<満潮位>として公表している(平成24年4月12日)。これは50mメッシュで推算されているが、今後さらに詳細なメッシュ(10m)の分布地図を計画しているという。危険物施設はこのような情報をベースに被害想定を行い、対策上の問題点があればこれを洗い出し、解決策を模索して行く姿勢が大切である。

[文 献]

1)西 晴樹「コンビナート火災について」第15回消防防災研究講演会資料、消防研究センター(平成24年1月27日)p105
2)中央防災会議「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会」報告書
3)篠原雅彦、松島早苗、尾川義雄「気仙沼での火災について」第15回消防防災研究講演会資料、消防研究センター(平成24年1月27日)p25